2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research into Various Types of Sex among Men who have Sex with Men in Japan and HIV Prevention
Project/Area Number |
25760013
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
新ヶ江 章友 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 准教授 (70516682)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | HIV/AIDS / MSM / 性自認 / 語り / 日本 / 性行動 / クィア / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
現在日本では、MSM(Men who have Sex with Men、男性と性行為を行う男性)のHIV感染が問題となっている。そのため疫学は、MSMをHIV感染予防施策の重点的な対象としてきたが、そこでは主に「ゲイ」や「同性愛者」を自認するMSMが対象とされてきた。一方本研究は、MSMのなかでも「ゲイ」や「同性愛者」だと自認しない女装するMSMや、女装するMSMと性行為を行う(異性愛者を自認する)MSMに着目した。これらの人々は、従来のHIV感染予防施策の主な対象とされてこなかったが、潜在的なHIV感染リスクにさらされている。したがって本研究では、これらの人々の生きる文化的文脈を考慮したHIV/AIDS予防対策について考案した。 平成28年度は、平成25~27年度に収集した事例の分析と考察を行ったが、主に過去3年間に収集できなかったデータを補足的に集めることに努めた。 論文としては、関連する学術雑誌への投稿の準備を行い、本の出版の準備も合わせて進めた。調査の内容を整理しながら、今後もさらに研究成果を学会でも発表していく予定である。 データの収集については、当初、「ゲイ」や「同性愛者」を自認しないや女装するMSMへのインタビューを中心に行う予定だったが、想定していた以上にラポール形成に手間取った。ラポール形成や当該コミュニティとのつながりができたものの、まだ十分なデータ収集ができていない場合もあったため、本研究は今後も継続して行い、その成果をこれからまとめる予定である。今後この研究を、MSMの家族形成や生殖医療の問題とも絡めながらさらに進めていく予定である。
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