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2014 Fiscal Year Annual Research Report

カントと現代の知覚理論

Research Project

Project/Area Number 25770004
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

中野 裕考  お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (40587474)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsカント / 知覚
Outline of Annual Research Achievements

カントと現代の知覚理論との関係について調査・分析した。カントのテクストとしては『純粋理性批判』をベースにしながら、しかし1780年代末~1790年代にかけての覚書なども参照しながら分析を行った。また現代の知覚理論に関しては、ロバート・ハンナ、ジョン・マクダウェルをはじめとして、1990年代から今日にかけて繰り広げられている概念主義論争を主に追跡した。それによってカントが概念主義と非概念主義との間のどちらか一方に与するとは思えないこと、むしろ対立する両陣営の本質的なテーゼを両立させるという独特な位置を占めるはずだということが明らかになった。この成果については現在論文を学会誌に投稿し査読結果を待っている段階である。またそれと同時に、現代の大陸哲学の動向との対比を行うため、ハイデガー『カントと形而上学の問題』に端を発して展開されてきた現代フランス哲学における自己触発論の問題も扱った。つまりメルロ=ポンティ、デリダ、アンリといった現象学者が、さしあたりカントとは独立に論じている自己触発論が、カントとどの程度リンクしうるものなのかという考察を行った。この考察の内容は2015年9月にオーストリアにて開かれる国際カント学会で発表することが決まっている。その他にも、観念論論駁の展開が『純粋理性批判』で完結しておらず、その後の覚書にいたって一層の展開がみられることが確認された。この件に関しては「観念論論駁覚書に現われた特異な主題群」(『日本カント研究』採録決定済み)にて成果を発表することになっている。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 観念論論駁覚書に現われた特異な主題群2015

    • Author(s)
      中野裕考
    • Journal Title

      日本カント研究

      Volume: 16 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Kant and French Phenomenology on Self-affection2015

    • Author(s)
      Hirotaka Nakano
    • Organizer
      XII. Internationaler Kant Kongress
    • Place of Presentation
      Wien
    • Year and Date
      2015-09-21 – 2015-09-25

URL: 

Published: 2016-06-01  

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