2015 Fiscal Year Annual Research Report
ライプニッツの数理哲学における数学的存在の形而上学的位置づけの解明
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25770005
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池田 真治 富山大学, 人文学部, 准教授 (70634012)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ライプニッツ / 数理哲学史 / 抽象 / 初期近代ヨーロッパ / 数学的存在 / 形而上学 / 普遍数学 / 普遍論争 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、これまでの研究成果をふまえ、ライプニッツの「抽象」の一般的理論についての研究を進めた。またその研究を同時代のコンテキストに位置づけるべく、17世紀を中心とする初期近代ヨーロッパにおける抽象をめぐる議論についても研究を行った。 夏には、研究課題の関連で、フランス・パリ、および、ドイツ・ハノーファーのライプニッツ・アルヒーフに訪問し、現地で資料収集および研究者との交流を行った。 その研究成果として、2015年9月に、中部哲学会のシンポジウム「近代の科学・哲学」において「普遍数学と近代普遍論争──ライプニッツとバークリにおける抽象の問題」と題して発表した。また2016年2月には、所属機関において「初期近代ヨーロッパの哲学とインテレクチュアルヒストリー」という国際シンポジウムを企画・開催した。そこでは、司会・運営を務めるとともに、"The Theory of Abstraction in the Late Leibniz"と題して研究発表を行った。 また、これまでの研究成果として、『フランス哲学・思想研究』に「〈自然の真のアトム〉としてのモナド──ライプニッツの原子論との対決──」を、『アルケー』に「連続体におけるモナドの位置の問題──後期ライプニッツにおける数学と形而上学の関係」を出版した。 さらに、本研究課題に関係する翻訳として、工作舎から、酒井 潔、佐々木 能章[監修]『ライプニッツ著作集第Ⅱ期 第1巻 哲学書簡』に、「ベールとの往復書簡」 (担当範囲:6-1-6-5, 230-258頁)を出版した。
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