2014 Fiscal Year Research-status Report
国際美術シーンにおけるポップアートの広がりと日本の展開に関する比較文化的研究
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25770043
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
池上 裕子 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20507058)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポップ・アート / 美術史 / 比較美術史 / 戦後美術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、第二次世界大戦後の国際美術シーンにおけるポップアートの広がりと、その日本における展開を、比較文化的な見地から考察するものである。今年度は、日本におけるポップ・アートの重要人物であった横尾忠則、岡本信治郎、小島信明の各氏にオーラルヒストリーの手法を用いた聞き取り調査を行った。横尾氏と岡本氏の聞き取りはすでに日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴのホームページで公開中、小島氏インタビューの公開も準備を進めている。また、横尾忠則現代美術館、草月会資料室、慶應大学のアート・リサーチ・センターでの調査も昨年度より継続して行った。 研究に関する口頭発表としては、4月に森美術館で田名網敬一とアンディ・ウォーホルに関する講演を行い、9月にニューヨークのジャパン・ソサエティで戦後日本美術に関するシンポジウムで研究発表を行った。また、11月にはストックホルム近代美術館とセーデルテルン大学共催の“Art in Transfer: Curatorial Practices and Transnational Strategies in the Era of Pop”という国際シンポジウムにおいて、基調講演を行った。 論文発表としては、ニューヨーク近代美術館のオンライン・ジャーナルに2本の論文を発表したほか、『Between East and West: Reproductions in Art』という論文集に論文を発表した。また、2015年7月に出版予定の『International Pop』という国際展の図録にも論文を寄稿し、現在印刷中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
作家と関連画廊、美術館などの調査機関の協力を得られたことで、Walker Art Centerが主催する「International Pop」展の日本セクションの展示に大きく貢献することができた。また図録論文にもその成果を盛り込む形で執筆することができた。2015年7月に刊行される本展の図録出版により、本研究の成果は大きなインパクトを持つと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も26年度と同じように、聞き取り調査とアーカイヴ調査を並行して行う。27年度はイギリスでも大規模なポップ・アートに関する国際展が開催されるため、イギリスへの調査旅行も予定している。また「International Pop」展の図録論文を発展させ、今後本研究をさらに推進していくためのステップとする。
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