2013 Fiscal Year Research-status Report
環境における表現の可能性-偶発的な動きがつくりだすイメージフェノメナン-
Project/Area Number |
25770060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
臼井 英之 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 専門研究員 (70644574)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境芸術 |
Research Abstract |
【瀬戸内国際芸術祭】アーティストインレジデンス及び出品 ■会期 春:2013 年 3 月 20 日~4 月 21 日 夏:2013 年 7 月 20 日~9 月 1 日 秋:2013 年 10 月 5 日~11 月 4 日 ■会場 香川県小豆島 ■作品について 小豆島の神浦という海に壮大なスケールのインスタレーション作品を出品しました。海に巨大な泡ぶくを出現させる作品です。巨大な泡は波紋へとカタチを変え、海面はまるで動く枯山水のようになります。揺らぐ海面に陽の光が反射することにより、周囲の環境や時間の変化を取り込みます。この展示場所は国指定天然記念物でもある皇子神社の麓に位置する海辺であり、また背後の2つの山を借景とすることができました。環境における表現の可能性を追求する場所としては最も適切であったと考えています。来場者数も瀬戸芸全体では100万人を超え、小豆島のみでは約19万人が来場しました。文化、芸術、経済と様々なプラスの効果が現れました。また作家である私自信と地元の方との強い絆も生まれ、微力ながらもアートの魅力を津々浦々にまで浸透させることができたと感じています。 ■滞在制作を通して 地理的な要因もありますが、美しい環境はその土地に暮らしている人の努力の賜物であります。この集落は高齢化が進んでおり環境美化もけして容易なことではありません。しかしここに暮らす人々はこの土地に愛着を持っており、海岸や公民館の清掃、草刈り、そして瀬戸内国際芸術祭のボランティア活動も積極的に行っていました。私も制作にあたり多くの方のご協力を頂きました。環境を利用して表現を行う以上、その土地とそこに暮らす人への敬意は最も重要であると感じています。 【環境芸術学会第14回大会/環境と芸術と都市の未来】口頭発表およびパネル発表、冊子発表 瀬戸内国際芸術祭2013での活動報告をベースに、今後の展開プランを発表しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、1作品をベースとした2年間の研究を計画していましたが、ウェブサイトの開設を含めた成果物の作成が予想以上に順調に進んだため、平成26年度に新たにもう1作品、展開することを計画しています。 具体的には海洋における表現で得たノウハウを今年度は陸地(休耕水田)に活用する作品計画をたて、平成26年4月現在、福島県喜多方市在住の農家の方をはじめとする地元の協力者とともに現地調査を開始しています。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の海洋設置で得たノウハウを活かし、今年度は日本の原風景ともいえる水田環境を作品に取り込む事を計画し、現在実行段階に入っております。具体的には福島県喜多方市にある休耕田を利用し、田んぼの水面に泡と波紋を出現させるインスタレーション作品であります。ヴィジュアルとしては、周囲の山麓や陽光、月光、稲の成長を水面に取り込むことを考えています。技術的には海洋設置に比べ、設置撤去、メンテナンスが容易であり、実現性の高いプランであると考えています。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
小額ではありますが、想定額との不一致によるもの。 制作活動費に補填します。
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Research Products
(3 results)