2015 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル・ハイブリッド技術による発色現像カラープリント技法の更新・制作展開
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25770062
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
安田 暁 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (00640228)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 芸術学 / 芸術一般 / メディア芸術 / 芸術表現 / 写真 / タイプCプリント |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、大判フィルムを使用したプロセスの研究およびそれに基づく作品の制作を基本として取り組んだ。その際の目標として、26年度の研究により見いだされた「写真のネガが持っているカラーを<ずらす>」ということを設定した。この研究は、個人による暗室での写真作品制作、発色現像方式カラープリント(タイプCプリント)によってクオリティの高い制作を可能にするための方法の開発であった。ネガフィルムが本来持っているカラーバランスを意図的に変化させる行為と、イメージをずらす行為との恊働によりタイプCプリントによる素材感などの特性を生かしつつ、一般的な作品とは異なる質の作品を制作することが可能になったと考えている。 そして、個人による作品制作の方法・技法としては一定の成果を見いだせた一方、汎用的な方法、技法とするには非常に特殊な方法であることや再現性が低い面があることがあらためてあきらかになった。このため27年度後半の研究終盤においてはこの部分に対するアプローチとして、ネガフィルムをデータ化する方法およびネガを印画紙に焼き付けする際の固定方法について今まで未検討であった新しい方法を実験している。これによって得られた結果は、本研究で得られた新しい作品制作方法の精度を増すものであったとともに、これをもとにタイプCプリントなどの銀塩、アナログ写真メディアとデジタルメディアの融合による現代の写真制作のための新たな方法・技法をさらに開発していくきっかけとなるものでもある。 本研究で得られた成果が、美術作品として必要なクオリティを確保していることは展覧会や研究発表により確認できた。また、写真メディアという一般性の高いメディアにおいて、作品制作の内容に適したある一部分にフォーカスし抜き出していくことで、作品制作のためのメディアとなりうるという新たな可能性を確認することができた。
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Remarks |
(その他の発行物) 『《写真》見えるもの/見えないもの #2 』(展覧会カタログ)、東京藝術大学,《写真》展実行委員会、2015、全126P
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 山/石/ゴースト2015
Author(s)
安田 暁
Organizer
《写真》見えるもの/見えないもの #02
Place of Presentation
東京藝術大学大学美術館 陳列館(東京都台東区)
Year and Date
2015-07-13 – 2015-08-01
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