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2014 Fiscal Year Research-status Report

芸術表現における触覚的教育に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25770063
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

猪瀬 昌延  信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40597340)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords触覚 / 教育 / 造形
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度における研究業績は、ワークショップによる実践が中心となった。主に扱う素材としては信楽粘土とテラコッタ粘土を用いた。信楽粘土によるプロジェクトは25年度より収集しているデータに基づき、日干し煉瓦制作で用いられる叩き込み技法による陶板制作を行った。ワークショップでは、6歳児27名、保護者及び教員約30名による陶板制作を行い、25年度に収集した陶板と合わせて約600枚の陶板を制作した。制作された陶板は平成26年10月8日より関係小学校中庭にモニュメントとして設置し一般に公開するこができた。
テラコッタ粘土によるワークショップは平成26年9月13日に行った。参加人数36組児童生徒とその保護者。ワークショップは「親子動物園」と題し親子でそれぞれ同じ動物をテーマに立体造形を行った。信楽粘土でのワークショップでは加工用具を用いず手や指先による触覚を写し取ることを目的としたが、テラコッタ粘土でのワークショップでは多少の加工道具を用いて制作を行った。
現段階での研究実績として推測できたことは、児童の造形は可塑材(テラコッタ粘土)を用いることで誘発される触覚による自由な造形表現をスムーズに可能にすることに対して
成人は視覚化され概念化されたシンボリックな造形表現が顕著に表れた。このことは触覚によって得ることのできる素材の可能性、もしくは自己表現の可能性よりもすでに思い描いたものや想像していたものを視覚対象物に置き換える事が目的化されていると考えられる。同時に触覚による外界世界の内化、内的世界の外化が児童と成人では差異があり可塑材に写し取ることが可能であることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画書にある我が国における可塑材を用いた造形の調査研究は予定よりも遅れているが、その他の実践は順調に遂行している。
調査研究が遅れた原因として、当初計画していた我が国における可塑材として考えていた古典塑像以外に加えて漆喰による造形の研究を始めたことが原因としてあげられる。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度まで取組んでいた実践プロジェクトにおける研究成果の検証を中心に行う。さらにそこから導き出された改善点を考慮し、新たなプロジェクトととして我が国における可塑材として漆喰によるワークショップを考案し実施する。漆喰素材による造形は平成26年度に2回ワークショップを行った。一回目のワークショップでは我国において漆喰の主な用途は建築材として考えられることから「塗り」の体験を中心に行った。また造形表現としての可能性を探り、塗り加工によって施される凹凸の変化を陰影によって鑑賞する事をおこなった。二回目は身近な生活環境と漆喰の関係に注目し、生活において実用性のあるランプシェードの制作を行った。どちらのワークショップでも漆喰素材の可塑性を生かし表現が行えたこと、微妙な触覚の変化を写し取ることが可能であることが分かったため、27年度においては漆喰素材の研究とワークショップの実施を目指している。
27年度計画は11月までにワークショップを行えるように計画準備を行うとともに、26年度までのワークショップの検証とまとめを行う予定である。さらには本科研の研究のまとめを行う予定である。

Causes of Carryover

当初計画よりも現地調査回数が少なかったため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度請求額に関しては計画通りの使用を予定している。現地調査や美術教育研究会(東京藝術大学)や芸術表現学会(東京藝術大学)、図工の哲学研究会(武蔵野大学)への大会参加費及び旅費にあてる予定である。さらに我が国における可塑材としての漆喰による表現や素材研究及びプロジェクトの立ち上げを考えていることから素材研究費としての費用とする。

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Published: 2016-06-01  

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