2016 Fiscal Year Annual Research Report
TV drama production and literature in the early stage of the TV culture of the 1960s
Project/Area Number |
25770084
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
瀬崎 圭二 同志社大学, 文学部, 准教授 (70413284)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テレビ / テレビドラマ / 芸術祭 / 安部公房 / 椎名麟三 / 和田勉 |
Outline of Annual Research Achievements |
椎名麟三が脚本を担当したテレビドラマ「約束」(NHK 1964年11月20日放送 和田勉演出)の表現や、同時代の視聴者の受け止め方を考察した、口頭発表「椎名麟三作「約束」を読む/視る」(同志社大学国文学会 2016年6月12日開催 於同志社大学)を行い、それを論文化した「椎名麟三作「約束」を読む/視る」(『同志社国文学』85号 2016年)を発表した。本研究課題の遂行と並行して、NHKの番組アーカイブスを利用した「学術利用トライアル」に、研究課題「1960年代のテレビドラマと〈文学〉をめぐる基礎的研究―谷川俊太郎作「あなたは誰でしょう」・小田実作「しょうちゅうとゴム」・寺山修司脚本「一匹」を読む/視る―」を応募し、採択されたため、NHK内部に保存された一般非公開のテレビ映像を調査する機会にも恵まれた。その調査内容を、当時芸術的なテレビドラマの演出に多く携わっていたNHKのテレビ・ディレクター和田勉の方法論に中心化し、拙論「和田勉の演出技法―芸術的テレビドラマの探求―」(『人文学』199号 2017年)として発表した。また、韓国日語日文学会の2016年冬季国際学術大会シンポジウム「メディア時代における日本文学と大衆文化」2016年12月17日開催 於崇実大学校(ソウル))で、前年度までの研究成果をまとめた口頭発表「テレビのなかの〈文学〉―安部公房と芸術祭―」を行い、その内容を「テレビへの期待―1960年前後の安部公房―」(『日語日文学研究』第100輯2巻(日本文学・日本学篇) 2017年)として発表した。 初年度では、本研究課題の基盤となるような研究の枠組みを設定し、その後、その枠組みに基づいて具体的な分析が行えるようになった。研究を遂行するにつれ、テレビ局側の協力や、海外での研究報告の機会などが得られるようになり、本研究課題を広く外部に発信、共有することが可能になった。
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