2015 Fiscal Year Research-status Report
1920~30年代の大衆文学の展開とメディア・ミックス現象に関する総合的研究
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25770086
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
笹尾 佳代 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (60567551)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 読者 / 大衆 / メディア / 映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1920年~30年代のメディアミックス現象を、文学的事象が「大衆」とどのように対峙しようとしていたのかという姿勢の現れとして検討するものである。同時に、大衆文化創出の諸相について捉えることも目的としている。 平成27年度は、(1)「大衆文学」というジャンルの成立を示したものとして評価されてきた『現代大衆文学全集』と「講談」との関わりの基礎的な調査をさらに進めるとともに、(2)映画化されてヒットした作品などの調査、(3)文学が享受される現場における「読者」の問題についての考察を行った。(3)は、当初の計画に中心課題としては組み入れていなかったが、文学的な事象の享受者のあり方が、当時どのように捉えられていたのかといった点は、本研究課題を進める上で欠かせない考察であることがわかったため検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・まだ公表はできていないが、基礎的な調査を行い、調査表の作成を進めている。 ・個別的な事象を分析した論考は平成27年度には発表できなかったが、平成26年度に計画以上の成果を上げたたため、抽象的な概念としての「読者」についての考察と、それをめぐる当初の言説などの調査を行い、口頭発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
文学場をめぐる抽象的な言説(読者の機能など)の検討も引き続き視野に入れながら、当初の計画通り、映画、演劇などの大衆メディアに文学者がどのように関わっていったのか、基礎的な調査を行いたい。それと同時に、特徴的な個別的事象についての分析を行う。特に女性表象の分析は、〈通俗〉のあり方とその問題を浮上させる、一つの基軸になっているため、引き続き着目したい。
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Causes of Carryover |
所属先の異動があり、当初予定していた関西圏での調査にかかる出張宿泊費などが必要なくなったため、旅費の支出が大幅に抑えられた。また、本研究課題採択後に、国立国会図書館がデジタル資料送信サービスを開始したことも、旅費の支出が予定よりも少ない理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、データベースで閲覧することができない資料の閲覧や、東京国立近代美術館フィルムセンター、早稲田大学演劇博物館などでの調査を中心に行う予定であるため、その出張費として使用したい。また資料整理、データ整理を目的とした人件費として用いたい。
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Research Products
(1 results)