2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25770100
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
小山 順子 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (20454796)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 禁裏文芸 / 和歌 / 和漢聯句 / 女性文学 / 後土御門天皇 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の成果としては、論文「『文明十六年二月和漢千句』考-付、第五百韻・三つ物翻刻-」(『京都大学国文学論叢』第32号、平成26年9月、pp;23-38)と「後土御門天皇の和漢聯句御会懐紙考」(『国語国文』第83巻第12号、平成26年12月、pp;24-42)を発表した。後土御門天皇禁裏における和漢聯句については、和漢聯句の画期となる時代であり、重要であることは認知されているものの、具体的な作品資料に基づいた考証は皆無といってよい状況であった。本年度に発表した二本の論文のうち、前者によって、後土御門天皇禁裏における和漢聯句御会の性質が小番衆を中核とし、実験的な催しを開く場も小番衆をメンバーとする内々御会であったことを指摘した。また後者によって、和漢聯句御会の懐紙には天皇自らの推敲が加わっており、遊戯性が強調される和漢聯句に文芸性を意識していることを指摘した。 また、口頭発表「室町時代の女流歌人たち」(平成26年度中世文学会秋季大会、平成26年10月5日於金沢市文化センター)を行った。この口頭発表は、ほとんど研究がなされていない中世後期の女性歌人について、その個人の比定、職掌・立場の考察など基本的な研究を行った上で、後土御門天皇禁裏が女性歌人の活躍した最後の時代であったことを指摘した。後土御門天皇禁裏のみならず、中世後期の女性文学史の上でも、重要な指摘をなし得た。
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Research Products
(4 results)