2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25770109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
下條 恵子 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (30510713)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アメリカ文学 / 金融思想史 / 保険思想 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
1:アメリカ(ニューヨーク)における情報交換、資料収集(H25年8月)。「エイズと芸術表象」についてのセミナー(ニューヨーク市立大学)を受講。また、パフォーミング・アーツ分野における「新しい経済と新しいジェンダー・パワー」について研究協力者と共に訪問調査を行なった。 2:九州大学大学院言語文化研究院公開講座「文学と人生」シリーズの第1回講師を担当(H25年10月7日)。「アメリカ文学の中の『お金』―お金から眺める人間関係」と題する講義を行い、16世紀イギリス文学から21世紀のアメリカ文学までを概観し、「お金」の描写から読み取れる当時の世相、人間関係等を解説。これまでの研究成果を一般市民の方にも分かりやすく共有していただく機会を得た。 3:日本英文学会九州支部第66回大会でアメリカ文学シンポジウム「アメリカ文学とお金」の司会および講師を担当(H25年10月26日)。パフォーミング・アーツ、小説、出版業の分野から研究者の方々をパネリストとしてお呼びし、アメリカ文学と「お金」についての芸術論、社会思想、ビジネス的現状を多角的に議論する機会を得た。 4:H24年度に開催されたポー学会でのシンポジウムの発表内容をシンポジウム報告として加筆修正の上、原稿化した。アメリカ文学作家と文芸誌創刊ビジネスの関係についてのリサーチを追加した。 5:福岡女子大学アメリカ文学研究会例会における研究成果発表。同研究会にて、課題研究の進捗状況を定期的に報告し、研究協力者をはじめ、会員の方々と意見交換している。H25年度は計9回開催。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
19世紀のアメリカ文学を中心に「契約」の概念の描かれ方を整理する予定であったが、対外的な研究業績としては、1980年代以降のアメリカ文学および文化を中心的に取り扱ったものが多くなった。しかし、研究実績1のアメリカ訪問で「エイズ」という1980年代最大の災厄を描いた芸術表象を「社会」「契約」という視点から読み解く視点を得たことは大変重要であり、26年度以降の研究に大きく反映させたいと思った。 また、研究実績2の公開講座準備の為に16世紀イギリス文学から21世紀アメリカ文学まで多種多様な文学作品に関して「保険」と「契約」の点から資料分析を行なえたのは大変有益であった。この成果を学術的な議論に高めてアウトプットする予定である。 また、日本英文学会九州支部第66回大会でアメリカ文学シンポジウム「アメリカ文学とお金」の司会および講師を担当することにより、「アメリカ文学」を小説のみならず、演劇、散文、出版ビジネスなど多角的に議論する視点を得ると共に、パネリストの方々の協力で、研究課題に直接関係する研究資料のリスト作成が非常にスムーズにはかどった。 以上のように、資料収集と資料分析については大変大きな進捗が見られた1年となり、今後論文の形で発表するための準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
アメリカへの入植が開始され、建国の基礎を築いた17世紀の植民地時代の文書についての分析・整理に関して更なる進捗が望まれるため、26年度はその部分に力を入れる。具体的には契約進学とアメリカの精神史二関する研究文献を精読し、また、それと平行して保険思想に関する資料の分析と整理を行なう。 それに加えて、「契約」「宗教」「経済」をキーワードに、アメリカ文学史批評の変遷を整理する。 上の2点を踏まえた上で、これまでに分析や整理を行なった19世紀の文学と、現代のアメリカ文学作品を組み合わせて「保険」「契約」「共同体」についての論考を論文の形にまとめる予定。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定の書籍が入荷までに予想以上に日数がかかることがわかり、購入を次年度に見送ったため。 該当書籍を次年度に購入予定。
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