2015 Fiscal Year Research-status Report
19世紀英米間における戯曲出版と流通-Samuel French社を中心に-
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25770110
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Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
松浦 愛子 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (70457919)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | トランスアトランティック / 劇場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、Samuel French社による出版物、The Long Strike(1866)を事例として、英国に先んじて出版されていた米国における海賊版(「再販版」)の文化的影響を明らかにした。具体的には、著作権保持状況の推移と、英国に先んじた米国の海賊版の文化的影響を考察した。海賊版の流通により、広く全米で上演された劇は、19世紀後期においては労働組合運動に関わると同時に、中産階級のための慈善事業のモデル示唆など、著作権の保護されていた英国に比べて、より広く米国における市民社会の形成に貢献していた。このことから、国境を越えた海賊版のもたらした「トランスアトランティック」な文化空間の事例が指摘できる。研究成果の一部を、日本ギャスケル協会第27回例会(於:静岡市産学交流センター 2015年6月6日)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育児休業中であるが、複数の米国の歴史新聞データベースを積極的に活用して米国の劇場に関する情報を収集し、一定の成果を発表することができた。論文としてとりまとめ、近く活字とする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究再開後にすみやかに研究をすすめるべく、できる限りの範囲で準備をしていく予定である。
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Causes of Carryover |
産前産後の休暇又は育児休業による中断:平成25年11月07日~平成29年03月31日
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
産前産後の休暇又は育児休業による中断:平成25年11月07日~平成29年03月31日
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