2016 Fiscal Year Annual Research Report
Ageing and Subjectivity in Contemporary British Fiction and Culture
Project/Area Number |
25770115
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
迫 桂 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 准教授 (60548262)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 老い / イギリス小説 / 認知症 / ジェロントロジー / イギリス文化 / 介護 / ケア / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症を描く文学作品を分析対象とし、表象とケアの倫理や政治性、認知症と老いの言説との関係を考察する、Dr Sarah Falcus (University of Huddersfield)との共同研究を最優先に進めた。具体的には、研究成果をまとめた共著出版に向けて、原稿執筆作業に取り組んだ。先行研究調査を進める中で、特に関連のある理論的批評テキストや、影響力のある研究に注目し、本書の理論的枠組み、さらに、学術的貢献を明確に説明できるよう努めた。同時に、第一次資料である文学作品の分析を進めた。特に、認知症の語りが、複数世代の家族のつながりを強調する物語にしばしば組み込まれていることに注目し、それが認知症言説に何を示唆するのか考えた。この作品分析の一部の途中成果を国際学会で発表した。 時間的制約がある上記研究を優先した結果、遂行が計画通りに進まなかった研究もあった。また、内容が近似する研究が発表されたり、研究分野の動向により遂行意義が薄れた課題もある。今後研究を継続発展するうえで、社会的学術的意義を注意深く見直し、研究計画を構想する必要があると認識している。
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