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2015 Fiscal Year Research-status Report

プルーストのテクストにおける古典主義演劇

Research Project

Project/Area Number 25770127
Research InstitutionKyushu Sangyo University

Principal Investigator

松原 陽子  九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (10610371)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords生成過程 / 小説 / 演劇
Outline of Annual Research Achievements

パリの国立図書館やソルボンヌ大学の図書館、国内の他大学の図書館への出張により、研究課題に関する資料調査を行った。プルーストの小説『失われた時を求めて』の草稿資料とプレイアッド版を精読し、小説の主要な登場人物であるアルベルチーヌのイメージがどのように変化していくのかを分析し、そのイメージの変遷と物語の展開上、重要な要素であるモチーフがどのような関連を持つのかを考察した。今年度は『失われた時を求めて』の中でも特に、生成過程が複雑な巻を分析対象とし、近年刊行された草稿の転写校訂版を参照した。
また、『失われた時を求めて』における古典主義演劇と『セヴィニエ夫人の手紙』の明示的な引用の役割に着目し、それぞれの引用と小説の主要なモチーフがどのように結びつけられているかという問題を考察した。そのために、小説の生成過程を綿密に辿ることで、引用箇所の異同を明らかにし、引用と小説のモチーフの関連をより明確にすることができた。以上の考察を学術論文(査読付き)として公表した。
論文の他に本年度は、プルーストに関する重要な著書の書評を執筆した。その際にプルーストの草稿の中には作家の美学が読み取れる要素があることが確認できた。
また、本研究課題に関する研究分野の複数の著名な専門家を招聘し、研究課題に関する講演会を主催した。講演者は専門的な内容を分かりやすく工夫して聴衆に伝え、講演後にも質疑応答が活発に行われた。講演前後の打合せも本研究課題を進める上で、有意義な議論をする機会となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

海外出張を予定通り行えなかったため。招聘を予定していた研究者と予定が合わず、開催が延期となった講演会があるため。

Strategy for Future Research Activity

今後もプルーストの『失われた時を求めて』の原稿帳の転写校訂版を精読し、生成過程を辿ることに重点を置きたい。

Causes of Carryover

海外出張を予定通りできなかったため。招聘を予定していた研究者と予定が合わず、開催が延期となった講演会があるため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

分析対象としている作品の生成過程を綿密に調べるための資料調査を行う予定である。また、研究課題に関する専門的知識を提供できる研究者を招聘し、講演会を開催する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 記憶のなかのアルベルチーヌ ―不在の人とそのイメージ―2015

    • Author(s)
      松原陽子
    • Journal Title

      STELLA

      Volume: 34 Pages: 155-165

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2017-01-06  

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