2015 Fiscal Year Research-status Report
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25770138
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石井 理 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, 招聘研究員 (20636021)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 雅楽 / 国楽 / 鄭覲文 / 琴学 / 中華民国 / 音楽史 / 東洋音楽 / 伝統音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度4月から10月ごろまでの約半年間は研究活動に従事することができなかった。これは捕助事業期間を延長する理由(当初計画の遅延・変更)のうち、「研究者(研究代表者、研究分担者、連携研究者または研究協力者)のその他の業務の多忙、親族の介護、身内の不幸、子の養育(産前産後休暇または育児休業の取得によるものも含む)、怪我や病気によるもの」に該当するため、期間延長承認の申請を行い、認められた。 11月には中国上海市で行われた「2015静安古琴文化国際フェスティバル」および「第一回平湖杯古琴招待コンテスト」に参加し、民国時期の琴人である管平湖およびその師である楊宗稷について、演奏家や研究家との間で意見交換を行った。12月には中国北京の国家図書館で資料調査を行い、北平政府礼制館発布の『国楽譜』や、山西省の「育才館」という教育機関で雅楽の授業のために出版された『山西育才館雅樂專修科講義』および『山西育才館附設雅樂專修科同學錄』などの資料を複写し、その解読および文化史的な位置づけを行った。 また、上海で民俗楽団「大同楽会」を率いて琴学の進行活動を行った鄭覲文を対象として、彼の事績や芸術観・音楽観およびそれらが当時の文化界に与えた影響について考察を加えた。研究成果は「鄭覲文の古楽復興と琴学――『中国音楽史』を手掛かりに――」(『WASEDA RILAS JOURNAL No.3』、早稲田大学、2015 年10 月刊行予定)』にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これは平成27年度4月から10月ごろまでの約半年間は研究活動に従事する琴ができなかったためであるが、これについては捕助事業期間を延長する理由(当初計画の遅延・変更)のうち、「研究者(研究代表者、研究分担者、連携研究者または研究協力者)のその他の業務の多忙、親族の介護、身内の不幸、子の養育(産前産後休暇または育児休業の取得によるものも含む)、怪我や病気によるもの」に該当するため、期間延長承認の申請を行い、認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、当初の計画では平成27年度に行う予定であった研究を行う。すなわち本研究の総決算として、これまで研究成果を発展させつつ、西洋人による「琴学」を中心とした東洋音楽に対する言及(英語・仏語文献)にも注目しながら、20世紀の東西文化人にとっての「琴学」の全体像を相対的に把握することに努める。 大きく分ければ以下二つの視点による研究を並行して行う。ひとつは、東西文化の交錯する文化背景の中で、近代琴学はどのような人物によって、どのようにして形成され、そしてそれは他の芸術とどう異なるのか、その内部の経緯について考察を深めること。ひとつは、中国音楽史という概念が作られる清末民初に、琴学が外部に対して果たした役割について考察を深めること。その際には、Amiot Joseph(1718-1793)によるMemoire sur la musique des Chinois , tant anciens que modernes(1779年)、J. A. Van Aalst(1858-1914)によるChinese music(1888年)、Maurice Courant(1865-1935)によるEssai historique sur la musique classique des Chinois(1913年)などの、これまでの中国音楽研究にあまり用いられていないフランス語文献および英語文献を用いて、中国や東アジアの文脈に沿って語られがちな琴学の諸相について、東西の芸術論の異動や共通点を考慮しながら、世界的な視野から再評価することを目的とする。
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Causes of Carryover |
平成27年度4月から10月ごろまでの約半年間は研究活動に従事する琴ができなかったため。これについては捕助事業期間を延長する理由(当初計画の遅延・変更)のうち、「研究者(研究代表者、研究分担者、連携研究者または研究協力者)のその他の業務の多忙、親族の介護、身内の不幸、子の養育(産前産後休暇または育児休業の取得によるものも含む)、怪我や病気によるもの」に該当するため、期間延長承認の申請を行い、認められた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
中国主要都市の図書館(国家図書館、上海図書館、浙江図書館など)での資料調査に用いる。
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Research Products
(1 results)