2013 Fiscal Year Research-status Report
多角的な観点に基づく同時通訳者の通訳プロセスの定量的な分析
Project/Area Number |
25770146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笠 浩一朗 名古屋大学, 国際開発研究科, 助教 (40397451)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 同時通訳 / 機械翻訳 / 音声翻訳 / アノテーション |
Research Abstract |
世界最大規模(100万語、182時間)の同時通訳データベースに収録された「英日通訳データの講演データ」に対して、すでに付与されていたアノテーション情報(発話単位の時間情報、発話単位の対応情報)をもとに、高度なアノテーション情報として、「単語・音素単位の時間情報」及び、「高度な言語情報」の付与を行った。付与では、依存構造解析器、及び、形態素解析器などの自動付与ツールを活用するとともに、人手で修正することにより、大規模かつ正確な情報の付与を実施した。 作成したデータを利用して、同時通訳者の訳出メカニズムの解明に向けた分析を実施した。具体的には、同時通訳者の原発話の記憶状況による負荷が、同時通訳者の訳出(発話速度、訳出率など)にどのような影響を与えるのかを定量的に分析した。分析により得られた結果は、2013年9月に開催された通訳翻訳学会の年次大会において、「同時通訳者の作業記憶への占有量が訳出に及ぼす影響」というタイトルで口頭発表した。 今後は、これまでの付与実績をもとに、「日英通訳データの講演データ」、「英日通訳データの対話データ」、「日英通訳データの対話データ」に対しても高度なアノテーション情報を付与することにより、多角的な観点から同時通訳者の訳出メカニズムの解明に取り組む予定である。特に、英日、日英の訳出方向による違い、及び、講演と対話という通訳スタイルの違いが訳出にどのような違いがあるかについて、分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの進展状況は、予定通り「英日通訳データの講演データ」に対して高度なアノテーション状況を付与することができており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの付与実績をもとに、「日英通訳データの講演データ」、「英日通訳データの対話データ」、「日英通訳データの対話データ」に対しても高度なアノテーション情報を付与することにより、多角的な観点から同時通訳者の訳出メカニズムを解明したいと考えている。特に、英日、日英の訳出方向による違い、及び、講演と対話という通訳スタイルの違いが訳出にどのような違いがあるかについて、分析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度では、人件費、及び、旅費において予定より少ない支出となった。 人件費の費用については、アノテーション作業(データ作成)を研究者自身で実施したため、今年度は費用がかからなかった。旅費については、データ作成、及び、業務に忙しく、思ったより研究調査のための出張を実施できなかった。 次年度以降は、研究者自身のアノテーション情報の付与で得た経験をもとに、作業をマニュアル化し、作業者を予定より多く雇用することで、効率的にアノテーションの付与を実施する予定である。 また、データ作成を作業者に依頼することで、研究者自身はデータ分析、及び、関連研究の動向調査、国内外の発表を増やして、旅費として利用する予定である。
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Research Products
(1 results)