2017 Fiscal Year Annual Research Report
Acoustical analyses of the rhythm in English learner speech based on the measurement of the duration structure and its application to education
Project/Area Number |
25770148
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 静 京都大学, 情報学研究科, 研究員 (40631916)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 英語音声 / リズム / 時間構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,英語母語話者音声のリズムの時間構造が,その音響学的な測定によって初めて定量的に明らかにされつつある。本研究では,まず,母語話者音声との差異を計測して解析し,学習者音声のリズムの不自然さを定量的に明らかにした。次に,その差異と,主観評価を行って得る習熟度を表す得点との対応関係を解析し,両者の関係を定量的に明らかにした。加えて,得点と強い相関を示す差異が表れる検査文に共通する性質を抽出し,リズムの習熟度の評価に適した検査文の性質を明らかにした。さらに,それに基づいて検査文の選択基準を設定した。今年度は,前年度までに設定した,検査文の選択基準の有効性を検証するために,英語学習者による発話とその習熟度の英語教師による主観評価の実験を行った。この実験では,各学習者音声の母語話者音声との差異を計測し,得点とより強い相関を示すのが選択基準を満たす文である傾向にあることを確認した。 本研究で得られた結果により,まず,従来英語教育の現場で教師の経験に基づいて主観的に扱われてきたリズムの指導や評価に対して,客観的で定量的な情報を提供できる。また,リズムの評価や学習に適した検査文の性質も解明され,教育の効率化に貢献できる。これらの効果は,英語教育学や音声科学等の分野に貢献することが期待される。加えて,本研究では,英語音声のリズムの時間構造を,精密な音響分析によって定量的に明らかにした。この結果は,英語音声のみならず諸言語のリズムを扱う韻律学の分野に寄与する。さらに,本研究の研究手法は,英語以外の言語に拡張することも可能である。したがって,本研究は,今後の多様な音声言語の評価や学習に対応し得る研究であるといえる。
|
Research Products
(1 results)