2015 Fiscal Year Annual Research Report
チベット・ビルマ語派ルイ語群と周辺言語との言語接触にかんする研究
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25770154
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
藤原 敬介 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (00569105)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | チベット・ビルマ語派ルイ語群 / 記述言語学 / 方言調査 / 歴史言語学 / チャック語 / カドゥー語 / ガナン語 / 辞書 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年6月から7月、2015年12月から2016年1月、2016年3月にバングラデシュ・コックスバザールに渡航した。そしてCak-English-Bangla dictionaryを完成させ、3月にバングラデシュから出版した。この辞書はチャック語についての世界初の辞書である。見出し語数は7000語ほどである。チャック語の見出し語に対して英語とバングラ語の訳語をつけた。また、チャック語にみられるマルマ語からの借用語については、可能なかぎり対応するマルマ語形式も併記した。さらに、チャック語と同系統のカドゥー語やガナン語、チャクパ語などから再構しうるルイ祖語の形式についても、適宜記載した。 チャック語辞書の作成作業と平行して、チャック語ナイキョンチョリ方言とドチョリ方言について基礎語彙収集作業をおこなった。 また、2016年2月から3月にかけてビルマに渡航した。ザガイン管区バマウッ地方でガナン語諸方言の基礎的調査をおこなった。その結果、カドゥー語と比較するとガナン語諸方言の差異はそれほどおおきくはないことがわかってきた。ただし、諸方言間で意思疎通には問題はないけれども、語彙や発音には差異が散見されることもわかってきた。 おもな成果としては、チャック語辞典のほか、チャック文字によるチャック語表記をあつかった論文と、モークホン・カドゥー語がルイ語群のなかでどのような位置にあるかを考察した学会発表がある。
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