2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25770158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
立石 謙次 東海大学, 文学部, 講師 (50553426)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 雲南省 / 白族 / 大本曲 / 白文 |
Research Abstract |
本研究では、1失われつつある中国の白族の民間芸能「大本曲」の白文テキストを撮影し保存し、公開する。2テキスト化した白文にローマ字表記を付し、白語発音で読めるようにし、中国語・日本語訳を作成する。3白文表記の規則性と特定の使用語彙を解明し、語彙集などの工具書を作成する、という3つの目標を掲げた。 平成25年度は、①『大本曲』の上演の記録、編集。②『大本曲』台本の撮影記録。③『大本曲』台本の翻訳、という3つの作業を通して研究を行った。①について、2013年8月11日~27日と2014年2月25日~3月11日の2度に及ぶ中国雲南省大理白族自治州喜洲鎮での現地調査において、現地民間芸人の王祥氏に大本曲演目のうち、『磨房記』、『琵琶記』、『唐王遊地府』を上演してもらい、記録・撮影した。記録した映像資料は、一般公開を目指し、編集作業を行っている。②について、2013年8月の調査において、研究協力者である木下光弘氏(滋賀県立大学人間文化学研究科大学院生)とともに、王祥氏より、所蔵の大本曲台本34冊を借り受け、撮影・記録した。これら資料についても書籍やWeb上での公開を目指し、整理を行っている。③については、直接の聞き取り調査に先立ち、研究協力者の吉田章人氏(東海大学文学部非常勤講師)の協力を得て、研究開始以前に入手していた台本の撮影資料もとにテキストの打ち込み作業を行った。その打ち込んだテキストをもとに、現地調査において、研究協力者である黄永亮氏の指導の下に翻訳作業を行った。翻訳作業と同時進行で、語彙表を作成中である。黄永亮氏にはテキストを読み上げてもらい記録した。この音声資料をもとに、テキストに音声記号を付す作業を継続中である。大本曲の白文台本に日本語訳・中国語訳・音声記号を付したテキストを作成する。さらにこのテキストに、解説・語彙表・原本影印を合わせた資料を出版する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に予定していた2度の現地調査を実施できた。その上で34点にわたる未発表の白文資料を撮影記録することができた。さらに実際に「大本曲」上演の状況についても、すでに3演目を撮影記録することができた。これら映像資料の編集作業にもすでに着手できている。また整理・翻訳作業についても2演目について着手しており、同時に語彙集の制作にも取り組み、発表をめざし作業を継続している。これら、作業状況をかんがみて、本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにこれまでの現地調査によって、ある程度まとまった形で白文資料が撮影・記録することができた。今後はこれらすでに収集済みの資料に基づきながら、現地調査を続け、「大本曲」の実際の上演状況の音声・映像による記録を継続していきたい。現地調査では、さらに地理的・内容的に調査範囲を広げて調査を行う可能性も探りたい。この現地調査と並行して、さらに資料の整理・翻訳を作業を継続して、白文資料の分析を進めていきたい。
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Research Products
(1 results)