2013 Fiscal Year Research-status Report
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25770181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中村 太一 福井大学, 教育地域科学部, 講師 (00613275)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 英語の省略現象 / 統語的同一性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現行の言語理論の下で削除操作に課せられる統語的同一性として定式化可能な形を厳密に規定し、この規定に基づきこれまでの統語的同一性や言語事実を批判的に検討することで、言語理論の深化と発展に寄与することにある。この目的を達成するために、平成 25 年度は、この統語的同一性の厳密な定式化について理論的検討を行いながら、先行研究における統語的同一性を三種類に大別した内の (i) 統語範疇間の同一性と (ii) 形態統語論上の同一性が、理論上からだけでなく経験的にも見直す必要があることを明らかにした。また、平成25年度後半からは、平成 26 年度に計画されている研究の予備調査として、統語的同一性の残りの一種類である (iii) 平行性条件については理論上定式化可能であるという前提の下で、上述の (ii) の同一性に関わるとされてきた諸現象が説明される可能性を検討し、一定の成果を収めた。これら研究成果は、現行の言語理論における言語機能の設計図が基本的に正しいことを示唆するものであり、現在依然として存在する言語理論と言語記述の間の空白を埋める上でも意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画にほぼ沿って研究が進行しており、研究目的達成に向けて順調に進展していると言える。しかし、研究の途中で、より正確な調査結果を得るために調査範囲をわずかに広げたことで、その成果のまとめとその公表が一部未完の状態となった。このため、 「 (2) おおむね順調に進展している」との自己評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 26 年度に計画されている平行性条件についての検討は、すでに平成 25 度に予備調査を行い一定の成果を収めている。このため、当初の計画通り研究を進め、さらなる発展を目指す。また、研究の途中でより正確な調査結果を得るために調査範囲を広げたことにより、その成果のまとめとその公表が一部未完のままであるため、こちらも同時平行で進める。最後に、平成 25 年度の成果と平成 26 年度に得られた成果が持つ理論的・経験的帰結について考察しまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の途中で、より正確な調査結果を得るために調査範囲をわずかに広げたことで、その成果のまとめと公表が一部未完の状態となった。平成 26 年度にこの成果を学会等で発表するため、その旅費分として繰り越した。現在学会発表に応募中である。 平成 26 年度は、次年度(平成 26 年度)使用額分については、平成 25 年度中に得られたが、まだ未公表の成果を学会で発表するための旅費として使用する計画である。また、平成26年度分として請求した助成金については、当初の計画通り図書の購入、資料収集のための旅費、平成 26 年度に得られた成果を学会等で発表する際の旅費として使用する計画である。
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Research Products
(5 results)