2014 Fiscal Year Research-status Report
小節と二次述語における叙述構造に関する共時的・通時的研究
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25770184
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
横越 梓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80508391)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小節 / 二次述語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現代英語における小節と二次述語の統語的性質を説明し、さらにそれが歴史的にどのような変化を辿ったのかを明らかにすることで、申請者がこれまで行ってきた小節に対する分析との平行性を探ることである。主たる目的は当該構文の統語構造を明らかにすることであるが、叙述関係を含む構文であることから、意味論的な考察も継続する。 当該年度では、これまでの現代英語における小節の構造についての分析と、二次述語の構造についての分析から、両構文の統語的・意味的特性の共通点・相違点を明らかにすることを試み、現代英語における小節と二次述語の構造を提示することを目標とした。さらに、現代英語における二次述語の構造が最先端の言語理論の下でどのように捉えられるのかを考察した。 二次述語における歴史的発達については、これまでの申請者の研究に基づき、「小節の構造は語彙範疇から機能範疇へと歴史的変化を受けた」という分析から、二次述語が辿ったと思われる歴史的変化を予測し、それを確かめるための調査に取り掛かった。そして、現代英語における小節と二次述語の共通点・相違点を明らかにした上で、調査対象となる言語事実を挙げた。 上記に示した点について、コーパスを用いて歴史的データを調査し、データを収集した。特に参照の対象となるのは中英語期から近代英語期にかけてのデータであるため、複数のコーパスを用いて検証を試みた。コーパス結果の整理には多くの時間と労力を要するため、作業は現在も進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数のコーパスを用いた調査では、データの検証や集計に多くの時間を要する必要があり、用例を得られるまでに予定よりも時間をかけている。また歴史コーパスでは必要なデータを得られないこともあるため、調査対象を修正・変更する必要もあった。そのため、当初の計画にはなかった作業が加わり、全体としてはやや遅れていると認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、現代英語におけるデータと歴史的言語事実のデータから、総合的に研究を行う予定である。 まず、データの検証については調査対象を追加・修正する必要があるため、それらのコーパス調査を引き続き行う。そして検証した歴史的データから、二次述語が現代英語に至るまでどのような特性を持っていたのかを分析する。そして歴史的データの調査結果から、二次述語の構造に対する統語的分析を、小節の構造に対する統語的分析と比較検証する予定である。 申請者のこれまでの小節に対する分析と二次述語に対する分析について、共時的な観点と通時的な観点からの調査結果をまとめる。その際、資料収集にやり残した部分が出てくることが予想されるため、追加的なコーパス資料の分析や母語話者によるアンケート調査を実施する。ミニマリスト理論の下で、小節と二次述語の構造がどのように説明されるのか、先行研究を検証しながら分析する。そして「叙述は機能範疇Prの存在に集約される」という、申請者のこれまでの提案に対して、本研究の考察をまとめていきたい。
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Causes of Carryover |
当初の計画では予定していた海外での研究調査及び海外での学会発表が、申請者の業務や健康上の理由等により当該年度に実現しなかったことによる、旅費としての使用額が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度ということもあり、計画の残りを実施するために必要な経費として計画的に使用する。主に、調査や学会参加などのための旅費として使用する予定であるのとともに、研究に必要な図書の購入に充てていきたい。
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