2014 Fiscal Year Research-status Report
学習者データに基づく文法記述の試み―韓国語母語話者を対象に
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25770192
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
植松 容子 昭和女子大学, 人間文化学部, 助教 (30621073)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 韓国語母語話者 / 教育文法 / 動詞変化構文 / コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は平成25年度に達成できなかった内容(韓国語母語話者を対象とした「ようになる」の記述のあり方について、これまでの調査結果に基づき、記述として還元すること)を目標としていた。諸般の事情により平成26年度は研究の遂行が難しく、記述の具現化には至らなかったのであるが、研究を進めていく過程で「韓国語母語話者が抱える「ようになる」の問題点をより明らかにするためには、他の母語話者における「ようになる」の問題点も洗い出して比較する必要がある」ことが分かり、中国語母語話者における動詞変化構文(「ことにする」「ことになる」「ようにする」「ようにする」)の使用状況の調査を進めた。 調査資料には「YNU書き言葉コーパス」(金澤裕之編(2014)『日本語教育のためのタスク別書き言葉コーパス』ひつじ書房)の日本語母語話者30名、中国語母語話者30名の全12タスク計720編(60名×1人12タスク=720編)の作文データを使用した。調査結果は平成26年度内に発表することはできなかったが、平成27年度5月に日本語教育学会で口頭発表する予定になっている。 中国語母語話者のデータを分析することは当初の予定にはなかった内容であるが、特定の文法項目(ここでは「ようになる」)について複数の母語話者を対象に調査することにより、韓国語母語話者にのみ配慮すべき内容なのか、それとも部分的には母語にかかわらず共通して存在する問題なのかがより明らかになるという点で、今後の研究推進のために重要な調査であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度は7月に復職したが、事情(子供が慢性疾患を持っていること)により子供を保育園に預けられない状態での復職となり、研究日の確保が難しかったため。また、同様の理由により、長期休暇中も育児に専念しなければならない状態であり、研究の遂行が難しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に遂行予定だった内容を平成27年度に実施したい。なお、平成26年度中に応募した「平成27年度日本語教育学会春季大会」への発表応募が採択されたため、平成27年度はこの口頭発表をもとに内容を充実させ、論文投稿へとつなげたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度は7月に復職したが、事情(子供が慢性疾患を持っていること)により保育園に預けられない状態での復職となり、研究の推進が難しい状況となったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
基本的には科研費申請時の研究計画調書に記した平成25年度の使用計画に沿う予定ではあるが、事情により海外への渡航が難しいため、旅費として計上していた分の一部を物品費(書籍購入)に使用する予定である。また、研究代表者自身が渡航せずに海外の大学で調査を行う場合、郵送によるやりとりが発生することが考えられるため、その他(通信費)に予定よりも多く使用することも考えられる。
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