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2014 Fiscal Year Research-status Report

ナラティブアプローチによる新人日本語教師の主体性に関する基礎研究

Research Project

Project/Area Number 25770194
Research InstitutionKwansei Gakuin University

Principal Investigator

牛窪 隆太  関西学院大学, 日本語教育センター, 講師 (80646828)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords教師研究 / 実践研究 / 同僚性コミュニティ / ナラティブ
Outline of Annual Research Achievements

前年度から引き続き、新人日本語教師のインタビュー調査を実施するとともに、現在までの研究調査によって得られた知見を中間報告としてまとめ、研究集会や学会、また、出版物として公開した。当初の計画では、新人教師をめぐる問題のみを検討する予定であったが、調査によって見えてきた、日本語教師がおかれた教師環境をより大きな問題状況としてとらえることの必要性から、新人教師に限定された問題としてではなく、現職教師全体にかかわる問題として教師の主体性についての考察を進めている。また、現職教師が自身の主体性を発揮する場の構築を意図して、現職教師を対象とした研究会を新たに立ち上げ運営することで、理論で見いだされたことの実践的なアプローチとしての可能性を探っているところである。研究会は、前年度に関東で立ち上げたものと同様、拘束性を生み出すものから教師の関係性を逸脱させる契機(=同僚性コミュニティへの契機)として、教師のナラティブを位置づけることを志向し、関西で立ち上げたものであり、現職の教師の学びのあり方という実際的な課題から、教師の主体性にアプローチすることを可能にするものである。今後の方針として、まず、この研究会に参加している教師の学びと意識変容のプロセスを解明し、関東の研究会におけるものと比較検討することによって、今までの研究成果から導き出された理論モデルを、より汎用性の高いものへと精緻化していくことがある。さらに、研究開始時から継続的に調査に協力していただいている3名の日本語教師の語りについて、新たにデータを収集し、分析を重ねることによって、新人から経験者へと教師が自己認識を変容させる契機を明らかにできると考えており、自己認識の変遷からも、教師の主体性にアプローチする予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究年度途中で、研究代表者が研究機関を異動することになったため、新たに調査協力者を募らなければならないこととなり、データ収集が遅れた。その一方で、新たな教育機関において、同様の課題を見出し、教師を対象とした研究会を立ち上げることで、実践において、理論を再検討する機会をもつことができた。すでに収集したデータと分析をもとに、成果公開は行っているが、より汎用性の高い理論モデルを構築するべく、今後、データ収集とさらなる分析をすすめる予定である。

Strategy for Future Research Activity

実績概要部分での記述と重複するが、当初、新人教師を対象とし、調査分析をすすめていたものの、分析から導き出された「個体主義性」「同調性」に支えられた「こなしていけば終わるシステム」の存在は、日本語教育で広く受容されている「教師の自己成長」論とも符合するものであり、日本語教師の主体性があらかじめ「枠組みの中での教授方法の工夫」に限定されることを示すものであった。その結果を受けて、現職教師を含めた全体的な教師論として、教師の主体性を検討する必要があると判断したことから、議論の射程を拡大している。その一方で、新人日本語教師に特有の問題も存在するはずであり、今後は、新人教師が経験者となるプロセスをより詳細に検討することで、新人から経験者へというプロセスにおける主体性のあり方について検討していきたい。

Causes of Carryover

研究代表者の研究機関異動により、調査協力者とのやりとりに影響が生じ、新たな調査協力者を選ばざるを得なくなった。また、理論化の方法を変更したため、データ処理・分析に時間がかかっていることから、未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

最終年度となる本年度は、研究成果をより広く公開するため、学会出張費に充てるとともに、引き続きデータ収集を行うために必要な調査経費や備品購入費を計上する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 教師の成長を問い直す 日本語教育における「教師の自己成長」論の批判的再検討2015

    • Author(s)
      牛窪隆太
    • Organizer
      言語文化教育研究学会 年次大会
    • Place of Presentation
      東洋大学(白山キャンパス)
    • Year and Date
      2015-03-21
  • [Presentation] 日本語教師の同僚性とは何か2014

    • Author(s)
      牛窪隆太・古賀和恵
    • Organizer
      言語文化教育研究学会 第1回研究集会
    • Place of Presentation
      明日香日本語学校(大分県大分市)
    • Year and Date
      2014-12-13 – 2014-12-14
  • [Book] 「教師の役割と専門性を考える」『日本語教育学のデザイン』2015

    • Author(s)
      神吉宇一(編著)・名嶋義直・栁田直美・三代純平・松尾慎・嶋ちはる・牛窪隆太(著)
    • Total Pages
      230(pp.147-171)
    • Publisher
      凡人社

URL: 

Published: 2016-06-01  

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