2015 Fiscal Year Annual Research Report
バイリテラシー発達におけるインプットとメタ言語意識の役割
Project/Area Number |
25770195
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
市川 新剛 名古屋学院大学, 外国語学部, 講師 (40634415)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイリンガル教育 / リーディング / バイリテラシー / 継承語教育 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、在日ブラジル人児童のリテラシー能力獲得において家庭の活字接触とメタ言語意識が果たす役割について調査を行った。先行研究から萌芽的リーディング能力に重要なメタ言語意識は転移が起こりやすく、音韻構造や書記体系の異なる言語間でも転移することがわかった。質問紙調査の結果から、家庭での活字接触(print exposure)と音韻意識の一部とディコーディング能力(文字列を音声化する能力)の関連がみられた。また、家庭での活字接触をタイプごとにわけて分析を行ったところ、書記体系との関連がみられた。具体的には、図書などの所有数はポルトガル語と漢字のディコーディング能力と関係があるが、平仮名との関係は弱く、文字媒体を用いた活動(読み聞かせ等)の頻度は、ポルトガル語、平仮名、漢字の全てのディコーディング能力と関係がみられた。この結果は、書記体系の種類によって必要なサポートが異なる可能性を示唆している。
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