2016 Fiscal Year Research-status Report
文化的同化法による異文化コンピテンスの育成:国際語としての英語教育への応用と実証
Project/Area Number |
25770212
|
Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
石井 英里子 鹿児島県立短期大学, その他部局等, 准教授 (80580878)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 英語教育 / 異文化教育 / 異文化コンピテンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の中心となる文化的同化法(Fielder, Mitchell, & Triandis, 1971)は、異文化コミュニケーションの帰属理論に基づいており、文章の解釈を中心とした異文化認知学習法の1つである。文化的同化法は、(1)ある2つの文化における習慣の違い・誤解・摩擦などの事例を具体的に描写した読み物(2)その事例に対する質問、および、その答えとなる4つまたは5つの異なる解釈(3)異なる解釈に対する解説の3部構成になっており、その目的は、学習者がこの読み物の分析を通して、自分の文化とは異なる文化における文化的価値観、態度、信念などに触れ、目標学習文化の人々がある状況をどのように解釈するかを帰納的に学習することである。本研究計画では、文化的同化法を応用した英語教育モデル(Ishii, 2009)の基礎的研究を完成し、異文化コンピテンス育成手法として教育現場への応用実践に展開するための基盤となる研究を行っている。本研究では以下のことを明らかにすることを目的とした。 1.英語学習者の異文化コンピテンス育成の効果的な介入手続きと教授内容 2.異文化学習方略や一般的な対人コミュニケーション方略など他の学習者要因への影響 3.開発したモデルの長期的介入による教育効果と教育現場への応用実践の可能性 本年度は、上記の1と2に関する研究を継続して行い、3の長期的介入による教育効果の検証のための準備作業を行った。次年度に大学1年生と2年生を対象に、介入実験を行う。同じ文化的同化法の教材を、従来の文化的同化法の学習法である個人学習法として使用する群と、グループ学習で使用する群との比較によって、グループ学習法が効果を有するのかを検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間中の、研究代表者の機関移動により、研究期間を1年間延長したが、本年度に終了見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
大学1年生と2年生を対象に、介入実験を行う。同じ文化的同化法の教材を、従来の文化的同化法の学習法である個人学習法として使用する群と、グループ学習で使用する群との比較によって、グループ学習法が効果を有するのかを検討する。
|
Causes of Carryover |
研究期間を延長しているため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
統計ソフトIBMSPSS、統計処理用パソコン、実験参加者謝金など。
|