2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本人駐在員による英語使用の実態調査:グローバル人材育成のための英語教育に向けて
Project/Area Number |
25770220
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
冬野 美晴 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (30642681)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マルチモーダルコーパス / 英語教育 / スピーチ / パブリックスピーキング / 音声分析 / 動画分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル化が進む社会の中で、ビジネスの国際化に対応するための実践的英語教育がますます必要とされている。そこで本研究の目的は、アジア諸国で働く日本人ビジネスパーソンが現場で用いている英語の実態を調査し英語教育に応用することである。 最終年度である平成26年度には、前年度の調査で必要性が明らかになった「英語によるパブリックスピーキング・スキル」に着目し、日本人英語学習者と英語母語話者による英語スピーチを録画・録音し分析することで教育に役立つ指標を得た。 まず、日本人英語学習者について、日本の大学で開催された英語スピーチ大会を録画・録音し、マルチモーダルデータベース化した。録画データをコンピュータ・ビジョンベースのモーショントラッキングを用いて分析し、効果的なスピーチ・パフォーマンスに必要なアイコンタクトに関して、頭部の動きに着目して調べた。分析結果から、評価の高いスピーカーに共通するアイコンタクトの特徴が明らかになった。評価の高いスピーカーは一定間隔で左右に向けて顔を動かしており、聴衆全体とアイコンタクトを取っていた。 音声データは音声分析ソフトウェアを用いてポーズ(無音区間)に着目して分析し、話者ごとのポーズ分布の特徴を調べた。その結果、評価の高いスピーカーはコンマ・ピリオド・それ以外の位置のポーズが英語母語話者に近い分布を見せていることが分かった。英語母語話者のデータについても同様の分析を行い、ポーズ分布の特徴を蓄積した。 研究期間全体のまとめとして、本研究によってグローバル人材に必要な英語力の特徴が明らかになり、その一つである英語パブリックスピーキングの教育に役立つ指標が得られた。今後はより多くのデータを分析し、また分析手法を構築していくことで、効果的なパブリックスピーキング指導へつなげていく。
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