2014 Fiscal Year Research-status Report
文禄～元和期を中心とした近世的銭統合過程の基礎的研究
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25770248
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| Research Institution | Yasuda Women's University |
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Principal Investigator |
高木 久史 安田女子大学, 文学部, 准教授 (50510252)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 銭 / ビタ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、１６世紀から１７世紀初頭の日本国内での銭統合の経緯、具体的には寛永通宝発行にいたる経緯、を明らかにすることにある。方法論としては、とくに従来の関連研究の空白期間である、文禄から元和期に分析対象時期を限定することにより、これまで断絶のあった日本中世貨幣史・近世貨幣史研究の接続を試みる点に特長がある。
実施計画としては、文禄から元和期の銭関連の古文書・古記録等文献資料、ならびに文献史学的見地にかかる記事の地域別調査による近世的銭統合経緯に関する文献資料の検索、加えて同様の考古学・古銭学的知見との照合という方法論に基づいて作業を進める。
平成２６年度は、当初予定では近江に関する資料検索を行うとしていたが、平成２５年度におおかた作業を終了することができたので、その成果を論文化し、発表した（研究発表‐雑誌論文参照）。とくに従来の関連研究で言及されていない史料を複数検出することができたことが特筆される。
また、平成２６年度に予定していた資料調査計画の前倒しにより、当初予定にはなかったが、紀伊・播磨・但馬・摂津など、近江以外の畿内近国を対象とした資料調査を実施した。その成果を論文化した。現在審査中または平成２７年度中に発表予定である。加えて、平成２７・２８年度に予定していた東日本、とくに東北での資料調査・現地調査を前倒しして実施した。これらは当初計画で想定した成果を超える成果であり、当研究事業の、計画以上の進展を示す。このこともあり、平成２７年度以降は資料検索対象を拡大することも検討している。
加えて、同時期の紙幣（私札）成立過程について学会発表を行う機会を得た。これは銭と私札との関係（トレードオフ如何等）について示唆を与えるものであり、本研究の重要な副産物である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも示したように、資料検索は予定をこえて進展している。とくに、平成２７年度以降に検索を実施する予定だった地域の資料の検索を実施することができた。また単なるデータ検出のみならず、雑誌論文の形態での発表にいたった。加えて、現在投稿・審査中の論文もある。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初計画では、２７年度以降は東日本を対象とした資料調査を実施するとしていた。研究概要に示したように、すでに２６年度に前倒しして着手することができた。これを継続するとともに、当初予定していなかった地域の資料検索も視野に入れて作業を行う。
なお従来の関連研究はデータ検索対象が京都に偏る傾向があった。本研究では都道府県別資料検索という方法をとった結果、従来の関連研究が言及していないデータの検出に多数成功し、京都関連のデータだけではわからなかった史実を明らかにすることができた。このことは本研究の方法論の有効性を示す。
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Research Products
(5 results)
