2014 Fiscal Year Research-status Report
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25770249
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
北村 安裕 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 講師 (50646263)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域連携 / 機関連携 / 情報集約 / 地域研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は、まず25年度に引き続いて信濃国(長野県)における地域情報(官衙・寺院・経営体の所在や遺構、交通路の遺構や推定経路など)に関する遺跡、を収集するとともに、そこでの交通と地域結合の様態について調査・研究を進めた。その結果は2本の論文(「東山道と伊那郡家」「伊那郡における交通路と地域結合」)と、1本の口頭報告(「伊那谷の古代をさぐる」)にまとめた。また、美濃国(岐阜県)の地域情報、および交通のあり方についても収集を進めており、1本の口頭報告(「美濃と新羅の古代史」)にまとめて発表した。この報告には、東山道諸国の遺跡・遺物の源流を探るべく実施した韓国慶州・大邱等での調査の成果も活用している。さらに、古代の地域のあり方と関連して、7~8世紀の土地開発やその基盤となった土地政策に関する研究の必要が生じ、その方面からのアプローチも進めていくことになった。これに関しては、1本の論文(「班田制と土地開発」)と2本の口頭報告(「孝徳朝の土地政策」「7世紀後半の土地政策」)を発表した。以上の研究の一部は、飯田市歴史研究所や大阪市立大学を基盤とした難波宮研究会などとの連携のもとで進めていった。また、諸史料(編纂史料や法制史料、『平安遺文』など)から東山道における交通や東山道諸国の国郡に関連するデータを収集する作業も並行して進めてきており、現在までのところ、約2700件のデータを収集することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度に一部課題として残っていた信濃国の特性に検討を補完して万全を期した上、計画通り美濃国に関する検討にも着手することができた。また、当初の想定にはなかった東山道諸国も含めた地域の開発と土地政策の関係に関する考察も深められた。また、史料の収集については25年度に引き続いて予想以上の成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は最終年度にあたるため、収集した史料や地域情報について最終的なまとめを行い、全体的な結論を見通していきたい。また、前年度より着手した地域と土地政策に関する研究についても、ある程度の区切りまで進めていきたい。
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Causes of Carryover |
購入予定の書籍が入荷待ちの状態だったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入予定の書籍代に充てる。
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