2015 Fiscal Year Research-status Report
太平天国とキリスト教の関わりからみる中国初期プロテスタント史の研究
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25770253
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
倉田 明子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 講師 (20636211)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国近代史 / キリスト教 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は海外での学会参加、資料収集および図書購入、またこれまで収集した史料の整理と分析、論文執筆などをすすめた。 6月に香港・バプテスト大学で開催された第9回近代基督教史研討会に参加し、日中戦争期を中心とした近代中国キリスト教史をめぐる諸発表を聞いて議論に参加し、中国、香港、台湾の研究者と意見交換を行った。 8月にはアメリカ・ロサンゼルスのバイオラ大学で湖南聖経学院に関する資料調査を、サンフランシスコのセントクララ大学で在華宣教師に関する資料調査を行い、また香港大学でも日本占領期のキリスト教会について調べるため、香港日報の調査を行った。 9月には杭州で開催された「外籍友人与抗日戦争」シンポジウムに参加し、日本占領期の杭州に関する日本側資料について発表した。また10月末に香港で開催された「戦争与和平」国際シンポジウムにも参加し、日本占領期のカトリックの救済活動について発表した。いずれのシンポジウムも日中戦争をメインテーマとしたものであるが、参加者はキリスト教史研究者が中心となっており、19世紀から20世紀にわたる中国キリスト教史についてコメント、意見交換などを行うことができた。 海外出張時に現地で刊行された最新のキリスト教史研究の書籍を購入したほか、日本国内でもキリスト教史に関わる和書、洋書を収集した。また、昨年度までに収集したロバーツ関連資料およびギュツラフ関連史料についても整理と読解、分析をすすめ、論文にまとめる作業を行った。この成果は来年度、公刊される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は戦後70周年に関わる海外のシンポジウムに参加する機会が多く、その関連での資料調査なども行ったが、海外の研究者との交流を通して19世紀のキリスト教史に関する情報交換、意見交換も行うことができた。またこれまでに集めた史料の整理、分析と論文執筆もすすめることができ、今後補足すべき史料の存在や調査方法なども検討することができた。また今年度は関連書籍の購入を集中的に進めることができた。 以上のことから、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度となるが、そこではロバーツ・ギュツラフ関連史料の補足調査を行い、まだ入手できていない資料を集める予定である。2015年度にさらに検討を重ねた結果、ギュツラフ関連としてはドイツ・ベルリンで、ロバーツ関連はアメリカ・アトランタでの資料収集が望まれる。 また引き続き、収集した史料の整理、分析をすすめてゆく予定である。
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Research Products
(5 results)