2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Orthodox Periodical and Public Opinion in Modern Russia
Project/Area Number |
25770262
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
巽 由樹子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 講師 (90643255)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ロシア / 正教 / 出版 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、研究課題に関わる取り組みとして、(1)アメリカからの研究者招聘、(2)単著刊行のための原稿の完成、および、(3)ロシア帝国の出版史に関する論文集の編集を進めた。(1)は2017年9月に、ロシア帝国のヴォルガ・タタール共同体における写本・印刷本の専門家をユタ州立大学より招き、国内のフランス教育史の専門家の参加も得て、国際ワークショップを実施した。この際、自身は'Religion and Media in Late 19th-Century Russia: A Case Study of Orthodox Journalist A. Popovitsky'とのタイトルで報告した。なお、今回の招聘者は(3)の論文集への寄稿者であり、この招聘からは、対面して執筆内容について議論を詰められたことと、その後の論文集の編集作業において円滑に連絡がとれる関係を築けたことという、たいへん良い結果がもたらされた。また、2017年秋には(2)で述べた単著刊行のための原稿をひととおり仕上げ、科研費(研究成果公開促進費)に応募した。さらに2018年1-3月にかけては、(3)の論文集の編集を共編者とともに進め、入稿の目処をつけることができた。この仕事にあたり、9月の招聘者に加えて、他2名の国外の研究者と共同作業を行った。こうした過程で、19世紀後半ロシアにおける正教会と出版の関係についての研究成果を文章化した。刊行は次年度になるが、本研究課題の成果公開を着実に準備できた一年だったと言える。なお、本研究課題に間接的に関わる業績として、ロシア革命を出版という側面から考察した一文「帝政末期の社会とツァーリの表象」(『ロシア革命とソ連の世紀 第1巻』所収、6月)と、学会報告「ロシア革命と文化史研究」(11月)をおこなった。
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