2014 Fiscal Year Research-status Report
公法解釈理論の比較法的検証に基づく公法教育方法論及び立法技術論の展開の試み
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25780011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福永 実 広島大学, 法務研究科, 准教授 (10386526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 公法学 / 行政法 / 制定法解釈 / アメリカ法 / 立法資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度における研究計画が想定以上に速く消化できたため、平成26年度は年度末に開始を予定していた研究成果の執筆作業に年度明け早々から入ることができ、拙稿「アメリカにおける制定法解釈と立法資料(1)」広島法学38巻3号(2015年)の連載論文の出だしを公刊するに至った。当該論文では、アメリカ植民地時代のイギリスの法解釈慣行から説き起こし、そのアメリカ植民地法思想に及ぼした影響に触れ、次にいわゆる憲法起草者の見解を中心としたアメリカ建国前後に交わされた法解釈論争、建国後19世紀初期のアメリカ最高裁判決における法解釈慣行から垣間見える裁判実務の態度、コンメンタールにおける法解釈の解説から垣間見える理論家の思想を描写し、19世紀中期までのアメリカの法解釈慣行について素描することができた。当該歴史的内容をまとめた論文は他に類がないものと思われる。 関連して、上記論文を構想するにあたり、4月にはアメリカ行政法研究会にて、12月には早稲田大学公法私法研究会にて報告を行い、立法当事者を含む関係者から知見を得ることができた。 年度後半からは、1940年代までのアメリカにおける法解釈論争について描写する拙稿「アメリカにおける制定法解釈と立法資料(2)」広島法学39巻1号(2015年)の執筆作業に当て、当該業績は平成27年度に公刊予定である。 なお上記のように研究計画の進行自体は順調であったため、当初予定していた、渡米による文献調査よりも執筆作業を優先させることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は本年度末に論文公刊の執筆作業に入る予定であったが、既に関連論文を3本執筆することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、アメリカ法に関する連載論文の公刊を続ける。 但し、アメリカ法に関する論文は、当初「上下」2本程度を予定していたが、5本程度の連載となることが見込まれ、その限りでは計画年度内に研究成果を出し尽くすことは困難になっている点が課題である。
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Causes of Carryover |
研究資料の購入時に161円分のみ差額を充たすことができなかったため。また161円分のみのために何か支出を行う必要性に乏しかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
161円分については些少であるため、図書の購入費に充当する。
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