2015 Fiscal Year Annual Research Report
公法解釈理論の比較法的検証に基づく公法教育方法論及び立法技術論の展開の試み
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25780011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福永 実 広島大学, 法務研究科, 准教授 (10386526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 制定法解釈 / アメリカ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度及び平成26年度における研究計画が想定以上に速く消化できたため、平成27年度の前期(4~9月)は研究成果の第二段階から執筆作業に入ることができた。具体的には、福永実「アメリカにおける制定法解釈と立法資料(1)」広島法学38巻3号(2015年)1-38頁、福永実「アメリカにおける制定法解釈と立法資料(2)」広島法学39巻1号(2015年)17-59頁、福永実「アメリカにおける制定法解釈と立法資料(3)」広島法学39巻2号(2015年)49-85頁の三本を公刊した。(1)はアメリカ制定法解釈論の19世紀中葉までの動向を扱い、(2)はアメリカ制定法解釈論の20世紀初期のニューディール期までの動向を扱い、(3)はアメリカ制定法解釈論の1940年代以降から現在までの理論動向を扱うものである。当該歴史的内容をまとめた論文は他に類がないものと思われる。関連して、上記論文を成果発表として、5月には関西行政法研究会にて報告を行い、立法当事者を含む関係者から知見を得ることができた。 平成27年度の後期(10~2月)は、得られた知見を日本法に応用して、個別法分野での制定法解釈論について検討を試みた。具体的成果としては、福永実「国家補償による救済」岡田正則ほか編『現代行政法講座第2巻』(日本評論社、2015年)285-312頁、及び福永実「被爆者援護法の解釈と国家補償」広島法科大学院論集12号(2016年)247~276頁がある。そこでは被爆者援護法の解釈としてアメリカ法でのclear statement ruleに類似のものが使用されていることを分析し、その公法的意義を確認した。関連して、上記論文を成果発表として、12月には行政判例研究会にて報告を行い、研究者から知見を得ることができた。
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