2014 Fiscal Year Research-status Report
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25780013
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
権 奇法 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (30598876)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PFI / 民間投資事業 / 公共施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、韓国における実際のPFI事業(民間投資事業)の現地調査及びインタビューを行うなどの実証的研究を行うと同時に、関連する研究機関(法制研究院、韓国開発院、ソウル大学公益産業法センター、大学の研究者、所管官庁など)を訪問し資料収集やヒアリングを行った。また、韓国においては、すでにPFI事業の実施をめぐって様々な類型の法的紛争が発生しており、これらの法的紛争を実際の裁判例を中心に事例研究を行った。今後、日本におけるPFI事業の実施においても同様の法的紛争が発生することが予想され、これらの研究はPFI事業の実施と関連してどのような法的紛争が発生され、どのような解決プロセスを取るべきかについて大いに参考となるものと思われる。
そして、これまでの研究成果の中間発表として、「韓国におけるPFI制度の現状と課題」(愛媛法学会雑誌第41巻第3・4号、平成27年3月、55頁~89頁)という論説を公表した。具体的内容としては、日本のPFI制度の沿革及び実施状況並びに課題を検討した後、韓国におけるPFI制度の沿革や実施状況、仕組み及び特徴並びに課題を取り上げ日本と比較することによって、両国の制度や社会的・経済的背景の相違に留意しつつ、日本のPFIの実施に当たっての示唆点を抽出することを目的とするものである。PFI事業の積極的な実施の面においても、コンセッション方式や民間提案制度などの新しい制度導入の面においても、日本に先行していると言われている韓国のPFI制度の実態を明確にすることは、適切なPFI事業の推進だけでなく、公共施設の利用者である国民の権利利益をどのような保障するかに関しても重要な示唆を与えるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究出張の際の先方とのスケジュール調整がうまく行かず当初の計画通りの調査・研究が行われないなどの理由で少し遅れているということができる。また、研究成果の公表においても、執筆の遅れや掲載を考えている雑誌との調整などが原因で少し遅れていると評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、PFI事業の実施をめぐって発生する法的紛争に関する調査・研究やセミナーに参加するための出張を2回ほど予定している。そして、今年度中にこれらの内容をまとめた研究成果を研究会で発表し、論文として公表する予定である。
そして、最終的には、これまでの理論的・実証的研究を踏まえ、PFI法をはじめとする公共サービス提供体制や公共施設管理法制のあり方に関する研究成果をまとめたいと思っている。
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Causes of Carryover |
研究出張の際、先方との調整がつかず次年度に延期されたことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度中に研究調査及びセミナー参加のための出張を2回予定しており、書籍や物品の購入に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)