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2013 Fiscal Year Research-status Report

重複保険における保険給付の調整に関する法的規律の検討

Research Project

Project/Area Number 25780068
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

山下 徹哉  京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10511983)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords損害保険 / 損害保険契約 / 重複保険 / 保険法
Research Abstract

本研究は、重複保険となっている複数の損害保険契約の間で保険給付の調整が行われる場合の保険支払請求権相互の関係と約款相互の調整方法について検討し、それによって、保険給付の調整ルールの明確化を図るとともに、保険商品の設計の自由を確保しつつ保険者相互の権利義務関係を合理的に規律できるルールの構築を行うことを目的とする。
そのために、平成25年度においては、まず、日本法における既存の議論を調査・検討し、保険実務の現状把握に努めた。次いで、ドイツ法およびアメリカ法に関する国内外の文献を収集し、順次検討を行った。その際、文献調査をする中で、ヨーロッパの民法・保険法ルールを考察する際には各国国内法だけではなく、ヨーロッパ私法の共通化等も視野に入れる必要があることが判明した。そこで、ヨーロッパ保険契約法原則等も調査範囲に含めることとした。また、9月頃に、マックス・プランク外国私法および国際私法研究所(ドイツ・ハンブルク)を訪問し、ドイツおよびヨーロッパの法状況や議論状況に関する文献収集、同研究所に滞在する各国の民法・商法研究者に対するヒアリング調査を行った。
成果として、ドイツ法については、重複保険において各保険金支払義務が連帯債務とされることの具体的帰結、とりわけ民法の一般ルールの適用・不適用の範囲、求償関係の具体的処理の方法が明らかになった。また、ドイツ保険契約法78条1項2項は、任意規定と解釈されているが、無制約に異なる合意が可能なわけではないことも判明した。
また、ヨーロッパ保険契約法原則においても、重複保険にかかる保険給付の調整ルール(第8: 104条)が置かれていることがわかり、その内容・趣旨を調べることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画で予定していた作業は、おおむね予定通り行うことができた。すなわち、日本法における重複保険をめぐる議論状況や、ドイツ法における規律内容・議論状況について、相応の知見が得られつつある。さらに、当初の研究計画では調査対象に含めていなかった、ヨーロッパ保険契約法原則に関する調査も行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

今後は、平成25年度の成果を踏まえて、当初の予定にしたがい、次の作業を並行して行うことを予定している。第一に、アメリカ法における法状況の調査・検討を継続して行う。第二に、これまでの外国法に関する研究成果を総合し、分析を行う。第三に、日本法における具体的な解釈論の提示のために必要な調査および検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ドイツ法に関する文献調査をした結果、ヨーロッパの民法・保険法ルールを考察する際には、ヨーロッパ私法の共通化等も視野に入れる必要があることが判明した。そして、新たに判明した調査範囲も含めて文献収集・ヒアリング調査を行うには、ドイツのマックス・プランク外国私法・国際私法研究所に当初予定していたより長期間滞在する必要性が生じたため、それに必要な旅費を確保するため、30万円分の前倒し支払請求を行った。その反面、現地で文献を収集することなどにより、当初予定していたよりも物品費の支出が少なく済んだ結果、次年度使用額が発生した。
今後は、次の作業を並行して行うことを予定している。第一に、アメリカ法における法状況の調査・検討を継続して行う。その際、アメリカに出張して、現地で必要な文献収集・調査およびヒアリング調査を行うことを予定している。第二に、これまでの外国法に関する研究成果を総合し、分析を行う。その際、ドイツ法に関して補充的な調査も必要となることから、ドイツに短期の出張を行うことを予定している。第三に、日本法における具体的な解釈論の提示のために必要な調査および検討を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 自賠法15条の自賠責保険金請求訴訟においても、裁判所において16条1項の請求と同じく支払基準に拘束されない旨判決した事案2013

    • Author(s)
      山下徹哉
    • Journal Title

      損害保険研究

      Volume: 75巻3号 Pages: 379頁-398頁

URL: 

Published: 2015-05-28  

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