2013 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本の官僚制における人事データベースの構築とキャリアパス分析
Project/Area Number |
25780088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Japan University of Economics |
Principal Investigator |
中村 仁 日本経済大学, 経済学部, 講師 (50435252)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 行政学 / 公共政策 / 官僚制 / 人事制度 |
Research Abstract |
本研究は、政治学の分野において制度論の立場から官僚制について考察する。具体的には、旧内務省系官庁の幹部候補生である国家公務員I種試験で合格し事務系の職員として採用された者が、どのようなキャリアパスを辿る傾向にあるのかを、彼らの名簿である内政関係者名簿を用いて分析する。その上で、キャリアパスを決定する立場にあるキーパーソンのオーラルヒストリ ーを作成し、定量的な分析結果に対し定性的な情報による説明を行うとともに、これらの情報を開示し他の研究者にも開かれたデータとすることが目的である。本研究の初年度にあたる平成25年度は、財団法人地方財務協会が発行する内政関係者名及び関連資料の全容を明らかにするため、その整理及びデータベース化ならびに行政官等へのインタビュー実施準備を実施した。 本年度の研究成果として、東京工業大学に博士論文として提出した「日本型クリエイティブ産業の研究:日本型コンテンツ・ファッション産業の比較によるユーザ主導型消費と産業構造の分析」が挙げられる。同論文は、日本型クリエイティブ産業の構造を産業論の視点から分析し、同産業を支えるシステムとしての教育制度・行政制度の構造を分析することで、現代のクリエイティブ産業全体のシステムを明らかにすることで、日本型クリエイティブ産業の振興のために必要な制度について考察した。このうちクリエイティブ産業への行政への支援について、担当省庁の人事慣行がもたらす影響に関して本研究の成果が反映された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画は概ね当初予定した形で進行している。ただし、内政関係者名簿のデータベース化については翌年度に持ち越しとなった。これは個人情報の処理や学術研究に供する形がより適切であることに慎重を期したことによるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度において、人事データのデータベース化を進め、インタビューと合わせて本研究の成果を取りまとめる。 研究計画のうち、データベース化の方法について、人件費による被雇用者の作業では必ずしも合理的でない部分があり、方策を再検討することで、より高い成果を目指す形としたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた名簿等のデータベース化の先行作業について翌年度本作業と併せての実施が妥当であると判断したため、関連する支出も含め多くを次年度使用額とすることがより良い成果を産むと判断したため。 初年度に実施予定のデータベース化の実施ならびに成果発表を2年度目に予定する部分と併せて実施することとする。
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Research Products
(3 results)