2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代フランスと欧州連合における移民政策と難民政策―課題と展望―
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25780092
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東村 紀子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 研究員 (80647553)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 学会発表の成功 / 単著出版準備 / 政府要人の招聘 / 政策決定者へのインタビュー成功 / 活発な議論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、専門研究分野であるフランスの移民政策及び難民政策だけではなく、現在厳格化しているヨーロッパ全体の移民政策や難民政策に分析対象を広げて研究を行った。特に、フランスをはじめ現在のヨーロッパ地域における厳格化された移民政策モデルはデンマークの政策をモデルとして策定・施行されているものであり、そのルーツを辿るべくデンマークの移民政策・難民政策を実地にて調査を行うことができた(現地ではデンマークの移民政策及び難民政策のエキスパートに聞き取り調査を行うだけでなく、活発な議論を行うことができた)。平成27年度には勤務校においてその専門家をデンマークから招聘し、学生への講演を行ってもらう予定である。本報告者にとって有益な学術情報は、これから研究や学習を行う学生にとっても有益な情報となりうると考えられるため、こうしたつながりや、そこで得られる情報を大いに活用させることができればと考えている。 また外国人の流入や滞在に関して寛大であり、2001年に入るまで実質的にコントロールを行ってこなかったためにイギリス、ドイツ、フランスなどから批判を浴びてきたイタリアの移民政策及び難民政策の実態を探るべく、イタリアの研究者及び政策決定者にもインタビューを行うことができた。イタリアでは、特に移民政策に関して中央政府が実質的に機能していなかった時間が長く、慢性的な人手不足が原因で、移民を制限的に受け入れるよりも、寛大に受け入れる必要性に迫られてきた歴史があることから、他国とは単純比較しがたい側面があることも分析できた。 そして専門分野であるフランスについては、パリ政治学院のCatherine Wihtol de Wenden教授やMaxime Tandonnet元大統領府付き移民政策担当顧問(現在、フランス内務省総督)を勤務校である大阪大学に招聘して講演会を行い、活発な議論ができ、盛会であった。
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