2015 Fiscal Year Research-status Report
中央政府の調達行政の基本構造―国際・地方の視点を踏まえた考察
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25780095
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
坂根 徹 法政大学, 法学部, 教授 (30567491)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中央政府 / 調達行政 / 基本構造 / 地方 / 国際 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の3年目にあたる今年度は、主に以下のような研究を実施した。 先ず、本研究課題の副題にある地方の視点を踏まえた考察として、中央政府が地方において実施する調達行政の中から公共事業の調達、とりわけ東日本大震災後の公共インフラの再建・整備についての調達行政を重点的に検討を行った。具体的には、国土交通省の地方出先機関である東北地方整備局に焦点を当てて、同局での聞き取り調査を実施した。また、宮城県の沿岸被災地の視察や公共インフラ関係を含む聞き取り調査等も実施した。その結果、国道等の主要な公共インフラの復旧・再建をどのように具体的に短期間で迅速に実現させることができたかや、将来の震災対策も踏まえた大規模な公共インフラの復興・整備をどのような対応・工夫で進めてきたかなどについて、調達行政の見地から取りまとめた。そして得られた知見を、「東日本大震災からの公共インフラの復旧・復興における国土交通省東北地方整備局の調達行政」と題する論文にまとめ、新潟大学で開催された国際開発学会第 26 回全国大会で報告した。 次に、本研究課題の副題にある国際の視点を踏まえた考察として、日本政府もこれまで様々なミッションに要員を派遣してきた国連PKOについて、財政支出の側面としての調達の見地を含めた財政分析を実施し、「国連PKOの財政分析―財政支出の側面に焦点を当てて」と題する報告ペーパー(全12頁)にとりまとめ、仙台国際センターで行われた日本国際政治学会2015年度研究大会国連研究分科会に提出した。そして、同ペーパー自体に加えて、外務省での聞き取り調査の内容から、日本からのPKOへの部隊・要員派遣と、日本からの物資・サービスの調達・供給という視点もあわせて同分科会で報告した。 今年度はまた、公正な公共工事の取組みや防衛調達の組織改革についても把握・検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、9の研究実績の概要に示した研究実施・研究発表ができ、また次年度に行う学会報告等の検討・準備(及び研究経費の効率的・効果的な予算執行)等も着実に進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は最終年度として、残予算を有効に活用しながら追加調査や本研究課題に関する学会報告等を行っていく。
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Causes of Carryover |
1・2年目から繰り越した予算が多くあったことや、効率的な予算執行が実現したことに加えて、特に研究遂行上重点を置いた地方の視点に関係する東日本大震災後の復旧・復興に関する調達行政には、先行研究の少なさもあり文献・現地調査やヒアリングの準備・実施等に想定以上の時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の現地調査を含む本研究課題の研究実施の結果、既に大半の予算は本年度末までに執行済であるところ、残予算については効果的・効率的な執行に努めていく。
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