2014 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける責任政党政治の登場:政党本位の選挙競争の浸透に伴う議会政治の変容
Project/Area Number |
25780099
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
根元 邦朗 早稲田大学, 日米研究機構, 助教 (90647025)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 議会制度 / 選挙制度 / 政党 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,選挙制度の改革や政党政治の制度化に伴う政党と議員個人の行動変化について探究する.より具体的に,政策中心・政党志向の選挙競争が強まるにつれ,議員個人は党全体の評価を高めるべく立法活動に積極的に従事するようになるという仮説を設定した.実証的には,日韓の議員立法・議場での投票行動のデータを完成させ,フィールドリサーチを行い国会議員とそのスタッフに聞き取り調査を行うことで,仮説を多面的に検証した.この研究は,日韓両国における2000年代以降の急速な立法活動の増加や,政権交代が実現した背景について,一定の含意を生み出すだろう. 平成26年度は,日韓の立法活動に関するデータベースの作成と関係者との聞き取り調査を継続し,日本内外での研究発表を行った.データベースの作成については,RAを数名雇用し,参議院についてのデータの収集を行ってこれを完成させた.また,平成26年度6月に韓国で地方選挙が行われたため,これに合わせて2週間ほどの滞在を行った.関係者との聞き取り調査と参与観察から,有益な情報が得られた.さらに,日本と韓国の議員立法に関する一つの事例研究として,女性に対する暴力施策(所謂ドメスティック・バイオレンス防止法)の関係者(市民団体の代表者,専門家等)に対して聞き取り調査を行った. これら資料を元に,多方面から仮説を検証し,日本内外で発表を行った.具体的には,2013年9月のアメリカ政治学会(APSA),2013年10月の日本政治学会,2014年3月のアジア学会(AAS),2015年4月の中西部政治学会(MPSA)にて本研究の核となる論文の発表を行ったほか,2014年5月の日本選挙学会にて参議院における議員立法について,2015年3月のAASにて日本のDV防止法の成立過程について発表した.これらのワーキング・ペーパーは,可及的速やかに英文のジャーナル(Legislative Studies Quarterly誌等)へ投稿する予定である.
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Research Products
(6 results)