2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25780117
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黄 宰源 早稲田大学, 国際教養学術院, 助手 (40608775)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 独島竹島問題 / 日韓国交正常化交渉 / 新聞報道 |
Outline of Annual Research Achievements |
日韓国交正常化から半世紀になる現在、独島/竹島問題は依然として日韓関係の大きな懸案である。特に、2012年8月10日、李明博大統領が独島を訪問した後、この問題を取り巻く状況は深刻さを増しており、両国の感情的対立や相互不信も強まっている。双方の国民世論が日韓関係を動かす主要な要因となっている今、本研究は一つの領土問題のみならず、日韓関係史という観点からも過去の植民地関係の清算または国交回復など国交断絶期の日韓関係と相互イメージを探る上で有効な示唆を提供してくれたのであろう。 日本と韓国において独島/竹島問題に関する研究は歴史的かつ国際法的視点から独島/竹島が自国の領土であると主張するもの、自国中心的な研究が多い。特に韓国では強烈な民族主義かつ反日的傾向の強い叙述が主流である。本研究は自国中心的な研究に対する見直しを求める立場から独島/竹島が日韓どちらの国の領土であるかを判定することを目的とせず、政治社会学的視点から日本人と韓国人は独島/竹島問題をどのように認識していたのか、また、なぜそう見るようになったのかを考察したものである。 独島/竹島問題はその政治的性格が強いため、これまでの先行研究は自国の政治的プロパガンダを強化する素材として利用されてきたことも少なくない。それと比べて本研究は日本と韓国の領土問題の是非を判断する目的ではなく、政治的な目的を持ってある一国の非だけを批判してない。また申請者は本研究の実績だけに依存して両国の領有権主張の是非を評価することを極力避けてきた。基本的には本研究の実績を学術研究書として刊行し、国際会議や学術シンポジウムで発表し、社会に発信、還元したのである。これは本研究を今後も継続的かつ効率的に進める中で非常に重要な作業であったと思われる。
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