2014 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本の外交指導者の中ソ関係認識と対中・対ソ外交――1950年代を中心に
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25780118
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
神田 豊隆 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70609099)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 政治学 / 国際関係論 / 日本政治外交史 / 国際政治史 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書「研究の目的」では「1950年代の対中・対ソ外交と指導者の中ソ関係認識を、彼らの戦前以来の経験も視野に入れて検討する」と記した。当初の想定とは一部異なる内容もあるが、概ね、この主旨通りに研究を進めている。本年度の代表的な実績は、特に下記の二つである。いずれも報告論文を提出した口頭報告であり、その後公刊に向けて準備が進んでいる。またいずれも、1950年代末の岸政権に関わる主題を持つものである。2014年9月に英国・ケンブリッジ大学において行った研究報告「椎名悦三郎の外交構想の変遷――『岸的』路線から現実主義者との共鳴へ」と、2015年3月に中国・華東師範大学において行った報告「日ソ関係のロー・ポリティクス――日ソ通商条約の締結と戦後日ソ関係の始動」である。 前者は、戦前から戦後にかけて岸信介と行動を共にし、岸政権期から官房長官、通産相、外相などを務めた椎名の足跡を追いつつ、その外交構想・対外観の変遷を論じたものである。同報告は、日本を含む世界各地の研究者の集まるシンポジウムにおいて行われたもので、有益なコメントを得ることが出来た。この内容は、近く共著書収録論文の形で公刊される予定である。 後者は、岸政権期に締結された日ソ通商条約の締結過程を、岸の外交観と結びつけた上で、一次史料に基づいて論じたものである。この報告は、日中共同ワークショップという形で行われ、こちらも大変有意義であった。 岸とその周辺の人物について、戦前からの連続性を視野に入れて論じること自体は新しくはないが、彼らに関する実証研究の蓄積は意外なほど弱い。その意味で、これらの研究は重要な学術的貢献となるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最も本質的な重要性を持つ資料収集に関しては順調と言って差し支えないだろうが、当初の予定では今年度は岸政権に関する研究は前年に行う予定となっており、公表している成果という点で言えば、やや遅れていると評した方が実態に近い。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には交付申請書に記した通りに今後も進めていく。やはり資料収集が最も重要であり、インタビューなども含め、一次・二次資料を問わずに収集を進める。成果の発表も、国内外を問わずに積極的に行っていく。
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Causes of Carryover |
米国・英国での資料調査を行った際に、当初は科研費より支出する予定だったが、学内で支給される研究経費から支出したり、学会に招待される機会を利用することで、支出が減る結果となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
米英などでの資料調査は引き続き行う予定であるが、これまでとは異なり、学内予算は大幅に減額される見込みであり、その他の研究費を得る見込みもない。従って、科研費からの支出による資料調査を実施する予定である。
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