2015 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本の外交指導者の中ソ関係認識と対中・対ソ外交――1950年代を中心に
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25780118
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
神田 豊隆 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70609099)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本外交 / 日中関係 / 日ソ関係 / 冷戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでから引き続き、資料調査を積極的に行った。国内で外務省外交史料館、国立国会図書館などで頻繁に調査を行ったとともに、国外では欧州、特に本研究に関しては英国国立公文書館での一次史料の探索を進めた。 2015年8月から10月まで、英国ケンブリッジ大学アジア・中東学部で客員研究員として滞在する機会に恵まれ、この機会に学会・研究会での交流や個人的な接触を通じて、日本およびアジアの近現代史・国際関係に関する多くの研究者とのネットワークを構築することが出来た。 2015年10月に、ケンブリッジ大学において"Driving the Wedge or Approaching Both? Yoshida and Kishi Factions' Rival Policies towards the Sino-Soviet Alliance"とする報告を行い、また2016年1月には"'Japan-US-China' or 'Japan-US-China-USSR': Two Different Goals in Postwar Japanese Conservatives"と題する発表を行った。いずれも、本研究の全体的な枠組を提示するもので、多くの研究者から様々な意見を得ることが出来た。 活字による業績は、共著による著書、黄自進主編『日本政府的兩岸政策』(中央研究院人文社會科學研究中心、2015年)(担当:神田豊隆(陳進盛・黄自進訳)「『親臺灣派』所推進的對蘇外交:1960年代的日本外交與岸信介、椎名悦三郎及福田赳夫」(161-199頁))である。特に岸信介周辺の政治家に焦点を合わせて、彼らが力を入れた対ソ外交の背景にあった国際政治観を問うたものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の全体的な枠組に関しては多くの研究者との意見交換も行っており、一定の水準の議論が出来つつあるように感じている。また、本研究の対象時期である1950年代の後半に関しては、岸信介とその周辺の人物を中心に、新たな見解が構築されつつある。他方で、1950年代の前半期に関しては、まだ公表出来る成果を得るには至っていない。今後の課題である。また、米国など、海外資料調査に関して、課題も残っていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は2016年度が最終であるが、資料収集を進めつつ、積極的に口頭・活字による発表を続けるという基調はもちろん変わらない。資料収集については、都内の各資料館の他、米国での調査が課題となる。また本年度は、英語圏での共著による著書が公刊される予定である。
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Causes of Carryover |
米国における資料調査を2016年度に先延ばししたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
米国における資料調査を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Book] The End of Empire and Japan's Search for Legitimacy2016
Author(s)
Araragi Shinzo, Michael Baskett, Erik Esselstrom, Kanda Yutaka, Kato Kiyofumi, Kawashima Shin, Sarah Kovner, Barak Kushner, Kerstin von Lingen, Sherzod Muminov, Park Jung Jin, Sato Takumi, Franziska Seraphim, Shirato Ken’ichiro, Sandra Wilson, Urs Matthias Zachmann
Total Pages
NA
Publisher
Routledge
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