2014 Fiscal Year Research-status Report
グローバル規範の生成・変容・消滅メカニズムに関する研究
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25780121
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
足立 研幾 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70361300)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際社会 / 規範 / 規範の伝播失敗 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度については、新たな規範の拡散がうまくいっていない小型武器規制やクラスター弾規制をめぐる問題などを中心に事例研究を進めた。新たに唱えられるようになった規範がなぜうまく広まらないのか。また、成功裏に広まっていないとしても、既存規範に何らかの変容を生み出したのか。こうした点について、ニューヨークなどへ調査に赴くことは時間的な余裕がなく断念したものの、理論的な研究を進めた。以上のような事例研究と理論整理の成果とあわせて、分析枠組みの精緻化を続け、その成果を日本国際政治学会、International Studies Associationなどで報告し、フォードバックを得た。 本課題研究のこれまでの成果だけでも相当の分量となってきたので、『国際政治と規範―国際社会の発展と兵器使用をめぐる規範の変容―』と題した単著として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事例研究、及び理論的整理については当初の予定以上に順調に進展し、これまでの成果をすでに単著としてまとめ出版することができた。ただし、平成26年度に予定していた、規範の伝播に関わったNGO等へのインタビューについては、スケジュールの関係から実施することができず、平成27年度以降に先送りせざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、規範消滅の事例の分析を進めていきたい。また、理論研究の進展に比べ、やや事例研究の進捗が遅れているので、関係NGOにおいて、資料収集及び意見交換を実施したい。このような事例研究を通して、分析枠組みの精緻化、理論的考察をさらに進めていく。
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Causes of Carryover |
研究はほぼ予定通り進捗したが、成果がある程度まとまったこともあり、海外調査よりも、研究成果を書籍として出版することを優先し、当初予定していたNY調査を実施しなかった。また、予定通りISAで研究報告を行ったが、ISAにおいて国際政治学会から委託された別用務も行ったため、渡米費用を本研究費から拠出しなくても済み、予定していた額よりも少ない研究費使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
時間が許せば、昨年度実施できなかった海外調査を実施し、また研究成果を、今年度もISAで報告したいと考えており、そうした当初予定していなかった研究活動や、あるいは当初26年度実施予定であった研究活動を行うために、使用していきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)