2016 Fiscal Year Research-status Report
グローバル規範の生成・変容・消滅メカニズムに関する研究
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25780121
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
足立 研幾 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70361300)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グローバル規範 / 規範変容 / 規範の消滅 / 規範起業家 / 規範守護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、大きく二つの方向で研究をまとめる作業に入っていった。一つには、本研究課題で進めてきた「より包括的に規範の生成・変容・消滅をとらえる分析」のまとめ作業である。その一つの到達点は27年度末の、日本語による単著『国際政治と規範―国際社会の発展と兵器使用をめぐる規範の変容―』(有信堂高文社)の出版であるが、28年には同様の問題意識のもと国際的に進めてきた共同研究のまとめ作業に入り、英語で共著(Norm Antipreneurs: The Politics of Resistance to Global Normative ChangeをRoutledgeより出版した。この研究成果は早くも、国内外で引用される文献となりつつあり、規範のとりわけ変容、消滅に関して、国際的に研究をリードするものとみなされるようになりつつある。 また、本研究を進める中で、とりわけ規範の変容部分に絞って「変容し続ける規範」という分析枠組みを構築すべく鋭意研究を続けている。これは、従来の「完成品の規範」が伝播することを前提とする、多くの分析枠組み自体に見直しを迫る、新たな分析視角である。その第一弾の論文は27年末に発表したが、それに基づく事例分析を28年度はさらに進めた。特に、分析枠組みの精緻化とともに、本分析枠組みを通常兵器分野に援用し、通常兵器全般をめぐる規範がいかに変容し続けているのか、分析を進めた。本分析枠組みから通常兵器分野の規制の変遷を論じる論文も28年9月に一本脱稿している。ただし、その後他の章の原稿が落ちるなどしたこともあり、本原稿については、書籍の一章として29年中に刊行すべくさらなる分析を加えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでのところ、おおむね予定通りに研究は進んでおり、この間の研究成果をまとめる作業も順調に進んでいる。ただし、当初28年度に予定され、報告が内定していたInternational Studies Associationにおける報告が、他のパネリストの健康問題でなくなってしまったこともあり、さらなるフィードバックを受けて研究成果を発展させるべく、研究期間の延長を行ったところである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は最終的なまとめの段階に来ており、これまでの成果を、論文として刊行したり、学会や研究会での報告を行い、フィードバックを受けたうえで、最終的にまとめ上げていきたい。
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Causes of Carryover |
報告が決定していたInternational Studies Associationにおけるパネルが、他の参加者2名が健康問題で参加を取りやめたため中止となり、学会参加を見合わせたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果のフィードバックを得るべく、他の学会、ワークショップ、研究会などへの参加費として使用し、研究野最終的なまとめ作業を完成させていきたいと計画している。
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Research Products
(2 results)