2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Formation, Change, and Demise of Global Norms
Project/Area Number |
25780121
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
足立 研幾 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70361300)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 規範 / 変容しつつづける規範 / NGO / 通常兵器 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、本研究課題の総まとめとして、規範の拡散成功、拡散失敗、既存規範の変容、消滅を包括的に分析できる分析枠組みの構築を目指し研究を進めた。規範の拡散に成功した事例のみに焦点を当てがちな既存の研究に対して、規範の拡散失敗事例や、変容事例の分析を通して、「完成品としての規範」が拡散したり、拡散に失敗するという見方そのものに問題があると考え、この間(平成27年以降)、徐々に具体化してきた「変容し続ける規範」という分析視角の精緻化に努めた。 規範を、社会において幅広く受け入れられている「行動の基準」と考えるならば、それが固定的であるとか、「完成品としての規範」が拡散すると考えることには無理がある。そうではなく、常に複数の規範が衝突したり、統合されたりしつつ、社会における規範は変容し続けているととらえる方が適切である。そのような主張の下、精緻化した「変容し続ける規範」という分析視角を提示した。また、それを用いて、19世紀から21世紀の長期間を対象として、いかに通常兵器軍縮が進展してきたのかという点を分析した。本研究で提示した「変容し続ける規範」という分析視角は、短期的な規範の拡散や拡散失敗に焦点を当てていては見落としがちな、長期的トレンドをうまくとらえることができる。まただからこそ、そうした経緯を踏まえて、今後を展望することができると思われる。そうした観点から執筆した平成29年度の研究の到達点ともなる論文「通常兵器軍縮の進展と展望―「変容し続ける規範」という視角から」は、『軍備管理・軍縮』(志學社、2017年)に掲載された。
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Research Products
(5 results)