2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25780127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾山 大輔 東京大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (00436742)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | societal game / dynamic game / equilibrium selection / potential game / supermodular game / economic growth / agglomeration / global stability |
Outline of Annual Research Achievements |
経済全体のマクロ的な動学を記述するモデルにおいては,連続体の主体が仮定され,それに依拠して,(i)経済全体の集計量は連続的に変化し,また(ii)各個人の戦略的な影響は無視できる,と暗黙裏に仮定されることが多い.本研究では,より現実的に,有限人のプレイヤーからなり,プレイヤーの数が十分大きいときに(i), (ii)の性質が満たされるような動学ゲームを構築・分析する.とくに,連続時間・連続体プレイヤーの決定論的動学である「完全予見動学」によって有限モデルの振る舞いが近似できるための条件を明らかにする.また,空間経済学や産業組織論での応用を念頭において,完全予見動学の方も状態変数を含むモデルに拡張し長期均衡の性質を分析する. 本年度は,前年度までに構築した有限人プレイヤーの確率ゲームモデルの改良を進めた.とくに,表現を簡潔にするためにモデルを大幅に書きかえ,また証明の細部を詰めた.2016年3月の「ゲーム理論ワークショップ」において研究発表を行った.(2015年8月に行われた国際学会には受理されたが,学務と重なったため取り下げた.) 産業の空間的集積と経済成長との関係を考察する理論研究についても,証明の細部を詰め,また具体的な数値例を改良した. また,前年度にひきつづき,パラメタつきの集団ゲームにおける分岐現象の研究を進めた.あらたにポテンシャル関数の分岐の崩れを分析する理論を開発した.
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