2015 Fiscal Year Research-status Report
戦略的環境におけるポテンシャルアプローチとその応用
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25780136
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
宇野 浩司 大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (70506386)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポテンシャルゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究成果は,階層構造をもつ戦略的環境において人々が長期的に関わりあう状況を分析したい時,どのような理論予測を用いればよいか.またその理論予測はどのような場合に与えられるかについて考察した論文 "Hierarchal Adaptations" を Osaka Prefecture University Discussion Paper Series として発表したことである.
人々は多かれ少なかれ,自分の行動は他の人の利害へ影響を与え,逆に他の人の行動は自分の理解へ影響を与える,いわゆる戦略的環境にある.その中で互いに影響を与え合う早さは,すべての人が一律というわけでなく,人間関係,組織,社会,国の違いなど時間差がある場合が多い.たとえば,日本に住む,ある人の行動の影響が日本に住む他の人の選択へ影響を与えるまでの時間の方,アメリカに住む人の選択へ影響を与える時間よりも早く,逆は逆という場合である.
本研究は,そのような影響を与える時間差「距離」を階層構造として表現し,階層構造をもつ戦略的環境における人々の行動調整プロセスを最適反応経路として定式化した.そして,このような状況における人々の行動に対する理論予測として最適反応経路の収束先を考察することとした.さらに,戦略的環境において特性ポテンシャルが存在するという条件下ならば,ある階層構造下でどのような最適経路も収束することを示し,理論予測を与えられる場合を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な学会報告において受けたフィードバックを反映させて論文としてまとめ,ディスカッションペーパーとして発表できたから.
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Strategy for Future Research Activity |
1.友好的ネットワークを持つ人々の間で発生する敵対的ネットワークの生成についてのVladyslav Nora 氏(ナザルバエフ大)との共同研究をディスカッションペーパーとして発表する. 2.米航空産業の価格競争に関する西田充邦氏,Ruxian Wang 氏(両氏,ジョン・ホプキンス大)との共同研究について,構造推定可能な理論モデルを構築する.
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Causes of Carryover |
ベルギーでのテロを受けて渡航予定をキャンセルしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
パソコンを購入する.
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Research Products
(1 results)