2013 Fiscal Year Research-status Report
Non-bossiness(非介入性)によるオークションルールの公理化
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25780139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
安達 剛 早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (00535122)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 第1価格オークション / 非介入性 / メカニズムデザイン |
Research Abstract |
近年、Saitoh & Serizawa(2008)やAshlagi & Serizawa(2012)等の研究によってオークションルールの公理化が進められているが、これらの研究は専ら耐戦略性(strategy-proofness)と効率性を満たすルールであるVCGメカニズムを特徴づけるものであった。したがって上記の研究だけでは他のルールとの間の長所・短所の関係を明らかにすることができず、オークション実施者に十分な選択肢を提供するものとは言えないという問題があった。 そこで本研究では耐戦略性ではなく非介入性(non-bossiness)を用いた場合、どのようなルールが特徴づけられるのかを検討した。非介入性は"自身の結果を変えないままに他の主体の厚生に影響を与えるような行動を入札者にルール内で行わせてはならない"ことを要請する公理であり、入札者間の共謀を防ぐという意味があるとされている。 検討の結果、オークションで売られる財が1つである場合(VCGメカニズムではなく)第一価格オークションが効率性・匿名性・個人合理性・非介入性を満たす唯一のオークションルールとなる、ということが明らかとなった。注目すべきは、ここで非介入性を耐戦略性に置き換えると、既知の第2価格オークションの特徴付け(Holmstrom, 1979)が得られる、という点である。したがって、第1価格オークションと第2価格オークションの性質の違いは、耐戦略性と非介入性という誘引両立性に対する要請の差によって説明できるということが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでオークションルールの公理化研究で用いられてこなかった非介入性の概念をオークションの環境に適用させ、大きな障害もなく効率性や匿名性といった標準的な公理と組み合わせることでルールを公理化できたことは、単一財環境に限定された結果とはいえ非常に望ましい成果であったと言える。加えて、この成果を国際学術雑誌に投稿し、短時間で掲載を決定することができたという点も、成果の公開という意味で高く評価できる成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に基づいて、オークション参加者の選好環境の更なる一般化、対称性などのより弱い公平性公理による特徴づけ、そして懸案である複数財オークションへの拡張の可能性を検討していく。また当初の計画よりも早いペースで研究を進行できているということを踏まえて、様々なオークションルールの比較を可能にするという本研究の目標に照らしあわせて、現在までに研究できた第1価格オークションとVCGオークション以外のオークションルールの公理化や、非介入性と耐戦略性に代わる別の誘因両立性についての検討も野心的に進めたい。
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Research Products
(2 results)