2016 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic analysis of environmentally responsible behaviors
Project/Area Number |
25780175
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
内田 俊博 中京大学, 経済学部, 教授 (60463113)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境経済学 / 行動経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人々が環境的・倫理的に責任ある行動をとるようになるメカニズムを明らかにすることを目的として研究を進めてきた。本研究における具体的な仮説は、以下の二つに要約できる。 (1)短期的には、人々は倫理性に関する自らのアイデンティティを一定に保つように行動するため、倫理的な行動をとるとその直後には非倫理的行動をとるようになる。 (2)長期的には、倫理的行動をとることで学習行動が進み(action-based learning)、以前と比べてより倫理的行動をとるようになる。
仮説(2)の検証に関しては、平成26年度に民間企業勤務者を対象としてアンケート調査を行い、データの収集を行った。本年度は、計量経済手法に関する改善を進め、1月の国際学会にて報告した。出席者からは、好意的なコメントとともに新たなテーマに関する示唆も得られ、本研究終了後に研究内容を発展させるヒントを得られた。仮説(1)に関しては、平成28年度から在外研究先として滞在しているジョージア州立大学にて経済実験を行い検証することを念頭に置いて、本年度は実験計画を完成させるとともに、実験を行うための手続を進めてきた。しかしながら、滞在先大学の教員から実験計画の申請・承認に必要な協力が得られず、12月の段階で実験の実施をあきらめざるを得ない状況になってしまった。計画していた実験は、被験者の短期的な倫理行動の変化と利他的行動への選好を同時に測定する点で新規性の高いものであり、実行できなかったとは言え、この実験計画を実行可能な形で完成できた点は本研究の一つの成果であると考える。
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Research Products
(1 results)