2014 Fiscal Year Research-status Report
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25780189
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
森谷 文利 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (10509607)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インセンティブシステム / 権限移譲 / 賃金 / モラルハザード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,コミュニケーションシステム,インセンティブシステムを含んだ権限移譲の統合理論モデルを構築することである.2年目の課題は,インセンティブコストが情報伝達構造とどのような関係にあるかを考えることであった.この研究実施計画に沿って,本年は,以下の3つの点を行った. ①(昨年から引き続き)日本と米国の賃金制度の「様式化された事実」を整理すること ②(昨年から引き続き)現場情報の分散化がインセンティブシステムに与える影響を分析し,最適なインセンティブコストを考えた.分析の結果,チーム型組織では,現場情報の分散がコーディネーション問題を緩和することを示した. ③コミュニケーションシステムと権限移譲の関係を分析した. ①に関しては,2014/5/24と2014/8/9,10の研究会(高知大学)で検討した.②に関しては,EEA-ESEM 2014(2014年8月25日)とEARIE(2014年8月31日),20th DC Conference(2014年10月13日),The 8th Japan-Taiwan-Hong Kong Contract Theory Conference(2014年12月6日)等の研究会で報告した.③については報告等はしていないが,2015年度中にまとめる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要で説明した3つの研究実績は,研究計画の中で次のように位置づけられる.②は2年目の課題であり,学会報告等のコメントを反映した分析を終え,投稿の為の論文の改定作業中である.①は引き続き,既存研究の整理を試みており,インセンティブコストの関連性を引き続き検討中である.③については,2015度の課題であり,上記の評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の研究成果に基づき,以下の点について進めていきたい. A)②の研究論文を投稿し,公刊を目指すこと, B)①の研究を論文にまとめること, C)③の研究を研究会を通じて改善すること.特に,追加的に得られた効果を十分に分析し,人事政策上重要な比較静学を行うことを目指したい. 本研究の研究計画上の3年目の中心的研究はC)であり,この点を重点的に進めていきたい.
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Causes of Carryover |
昨年度は学会・研究会報告を活発に行い,議論を通して多くのコメントをもらった.その結果,基本モデル以外にも4つの拡張研究が行えたが,論文の投稿は次年度に繰り越しとなった.そのため,投稿に必要な経費(ネイティブチェック費用,投稿費用)が来年度に繰り越しとなった.なお,分析自体は終わっており,この点は計画全体からすると影響は軽微である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は理由に書かれているように,投稿に必要な経費として使用する予定である.
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Research Products
(4 results)