2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25780197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu International University |
Principal Investigator |
松尾 美紀 九州国際大学, 経済学部, 准教授 (50437282)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 貧困の罠 / 児童労働 / 公共政策 |
Research Abstract |
本研究は,人的資本の形成と経済発展に関する動学的な理論研究を行うことを目的としている.既存研究とは異なり,最低消費水準を考慮に入れた効用関数を設定し,教育支出が奢侈品となるよう設定し,貧困の罠に陥るメカニズムを示す.基本モデルを構築後,貧困層に対する政策分析を行うこと目標とした. 初年度の研究では,最低限の消費を考慮するために,Stone-Geary型の効用関数を用い,貧困の罠を伴う経済発展のプロセスを示す理論モデルを構築した.その結果,家計の所得が低い水準では,児童労働が発生し,貧困の罠から抜け出せないことを示した.さらに,貧困層の家計が,人的資本を蓄積し,貧困の罠から脱却するための政策分析を試みた.政策分析として,(1)児童労働禁止,(2)ODAなどによる外部からの支援,(3)所得再分配政策を考察している.これらの研究成果を国際学会と国内学会で報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本モデルを構築し,政策分析を行っている.ここでは,政策的なインプリケーションを得られており,その成果を学会等で報告できた.
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Strategy for Future Research Activity |
貧困層に対する政策として,所得再分配政策があげられる.このとき,財源を消費税にするのか,所得税にするのか,検討する必要がある.また,Stone-Geary型の効用関数を設定しているため,貧困層への援助として,教育に対する援助を行うか,生活への補助金を与えるのか,あるいは現物支給を行うのかにより,政策効果が異なることが考えられる.どのような政策が貧困脱却に向けて最も効果的であるかを検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
英文校正に出さなかったことが考えられる. 今年度は英語論文を完成し,論文校正に出した上で,海外ジャーナルに投稿する予定である.
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Research Products
(2 results)